内容説明
「クセつよ」家族の愛おしく波瀾万丈な日々。
長年の夢であった小説家デビューを果たしたものの、担当編集者から「ボツ」をくらい二作目を出せず鬱々とする古都子は、漫画家である娘たちから60歳の誕生日を祝われ、赤いパンツをプレゼントされるがまったく喜べない。運動不足が祟り「脂肪肝」と診断され落ち込む長女・杏菜と、頑固でコミュ障だが天才気質の次女・瑠花、家族中から世紀末的に嫌われている夫と、愛猫のカンちゃん……。個性の強い4人+1匹の暮らしは一筋縄にはいかない。あるとき次女が、夫が建てた家を自分たちで稼いだお金でリフォームすると言い出して!?
46歳で大学入学、61歳で小説家デビューした著者が、自身の波瀾万丈な人生をベースに書いた、たくさん笑ってたくさん泣ける痛快「クセつよ」還暦小説!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
fwhd8325
63
キャラが強い家族の物語。限りなく事実に近い小説らしいです。久しぶりの賑やかな物語でしたので楽しく読みました。何だかとても逞しく元気になれます。登場人物に娘二人がいるのですが、この二人が愉快です。毎週木曜日、FM岩手で放送されている年の差13歳の姉妹がパーソナリティの「おもかげ横丁スナックいがわ」という番組があるんですが、この番組を思い出しました。2024/09/28
sayuri
43
帯には「作家・村山由佳さん激推し!!」の文字。となれば読むしかない。結果とても面白かった。著者の桐衣さん自身の実体験をベースにしているだけあって、どのエピソードもリアルで楽しい。二作目が出ないまま還暦を迎えた小説家の古都子、昔はモテまくりだったのに、今は脂肪肝に落ち込む長女・杏菜、コミュ障だけど天才気質の次女・瑠花、家族全員から嫌われ、「下のおじさん」と呼ばれている夫。+愛猫のカンちゃん。桜沢家に巻き起こる小さな事件の数々に何度も噴き出し、共感し、愛おしさが募った。エピローグは最高。「クセつよ家族」最高。2024/09/02
タピオカ
24
61歳で作家デビューした著者の自伝的小説。どうしようもない夫とは家庭内別居で、2人の娘たちと仲良く暮らす様子が、面白おかしく描いてある。母(筆者)と娘とそれぞれの視点で母娘の心の通う様子がわかる。「人生って浦島太郎物語なんだなぁ」に共感!ワイワイと遊び呆けているうちに、いつの間にか老人になってしまってるなんて。でもそんな悲哀も後悔も、笑い飛ばせるような元気が、この本にはありました。博多弁の会話も、すんなり入ってきて、とても良かった。2024/10/02
あずぽー
21
「ネコメンタリー」で、知った作家さん。漫画家の娘さん2人と猫ちゃんと、和やかで楽しそうだった。61歳で作家デビューとは、凄い努力家。博多弁のやり取りが、面白い。特に次女のキャラが良い。下のおじさんと微妙な関係。割り切りすぎてて、とても不思議だ。夫婦も色々あるんだなあ。次は、ぜひ波乱万丈な自伝も、読んでみたい。2025/08/02
眠り猫@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)
19
昨今の還暦は若いよねー。自分が子供の頃の【還暦】と言えば、本当におじいちゃんおばあちゃんのイメージだったけど、今は還暦って?ってくらい現役感が強い。赤いチャンチャンコや赤いパンツも贈るのが躊躇われるほど皆さんお若いしお元気。でも、確実に少しずつ老いはやってきている。母親との会話を思い出したり、自分のこれからの人生、悔いなく生きようと思ったり。少しだけど自分にも当てはまる部分があるような気がしてきて、楽しむというよりは先輩の経験談を読んでいるようでした。2024/11/24