内容説明
織田と毛利の狭間で生き残りを図る宇喜多直家。彼が夢見た境地とは?『光秀の定理』から直木賞受賞の『極楽征夷大将軍』に到る分岐点となった記念碑的作品、ついに文庫化!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
カマンベールねこ
29
開幕いきなり上巻で「やらないの!?」と思った遠藤スナイパー兄弟暗殺が実行されていた!信長や秀吉といった超有名人達も登場し、これぞ戦国時代小説!という感じに。安国寺恵瓊のキャラが良いね。キャラだけじゃなくて元々毛利元就に滅ぼされた安芸武田氏ってことまで明言されているのも嬉しい。孫子の「戦わずして勝つ」を実行する為には何でもやる宇喜多直家がとても良かった。2025/06/08
こうちゃん
25
最後までたっぷり宇喜多直家。 信長、秀吉は、どうしても主人公が喰われてしまうくらい存在感強いのに、この本は見事に主人公直家。本当にお見事。 『歴史は常に勝者の都合によって捏造され、喧伝される。敗者は彼岸にて沈黙するのみである』 本当だね。梟雄直家のイメージが少し変わるかも。(梟雄と言われるくらいの遣り方が必要だったのも事実だと思う)2024/12/20
tomo
16
☆☆☆ 3.3 下巻も半ばを過ぎて、ようやく目標が見えてきた。「これからの武家は、町に包まれながら商人とともに生きていく」そのための巨大都市つくり。あの地は○○が支配しているからここを攻めよう、といったよくある話はもうおなかいっぱい。こういう別の切り口の話しが読みたかった。それまでの話しはもっと短くてもよかったと思う。ー歴史はすべて勝者によって、作り変えられている、確かにその通りだと思う。もっとおどろおどろしい直家像を期待していたけど、いわゆる普通の戦国武将でしたね。2024/11/17
yuuguren
16
戦国の三大悪人とも梟雄ともいわれた宇喜多直家の一代記。直家は宇喜多家再興の志を遂げるにあたり、直接の戦(いくさ)は極力避け、策略や謀殺なども行っていった。ただしこの時代、信玄にしろ信長にしろ手段選ばずは当たり前で、直家がことさらこれをもって悪評されるのは宇喜多家含む西軍の関ケ原での敗北のためである。商家で育った直家はむしろ経済の重要性を知悉しており、商人も含めた城郭岡山城を築き上げている。 文庫上下巻合わせて1100ページ超の大作だが、飽きずに読了、大変面白かった。2024/09/15
miyaz5
13
領地を拡大していく直家。東からは織田、西からは毛利が迫ってくる中、時には和睦をし、時には裏切り、大きな勢力に飲み込まれないように凌いでいく。実際の直家がどこまで未来を見通せていたかは分からないが、裸一貫から一代で備前と美作合わせて50万石あまりの領主となったのは並大抵のことではない。特に商業の重要性を認識し、現在の岡山市を拠点として発展させたことはもう少し評価されても良いと思う。後半は少し急ぎ足で事象の羅列になっていたような感じでしたが、全体としては面白かった。垣根涼介氏の他の作品も読んでみようと思う。2025/02/26




