内容説明
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・ロングセラー『月とコーヒー』に連なる
〈インク三部作〉開演!
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
いいか、よく見ろ。
終わりが来ても、
このとおり、
何度でもよみがえる。
「奇妙な惑星」博物館の保管室に
勤務する十四歳のオリオ。
師匠のベルダさんと二人、
世の中のあらゆるものを記録し保管すべく
作業に勤しんでいた。
そんなある日、ベルダさんが死んだ。
自殺か、病気か、事件か。
原因がわからぬまま、
オリオは保管室の責任者を
引き継ぐことになる。
ところが――。
ベルダさんが記録に使用していた
万年筆のインク、
〈六番目のブルー〉の在庫がない。
あれなくして記録作業はできない。
幻のインクを求めるオリオの旅が始まった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょろこ
153
オトナ心くすぐる物語の一冊。インク、6番目のブルーを求めて旅するストーリーはオトナ心をくすぐる世界。言葉に癒され旅にわくわくさせられる時間を味わえた。オトナだからこそ響く言葉ってこんなにもあるんだな。きちんと自分が癒されたかった部分にぴたっと言葉がはりつく感じが良かった。どんな時でも、哀しみや孤独を抱え自分の時間が止まっているように感じても「それでも世界は回っている」。深い言葉だ。インクの色と同じくらい深い深い青さを伴って心の深い深い場所に沈んでくる。そして深い眠りに誘われる感じが好き。このサイズも好き。2021/10/18
KAZOO
139
吉田さんの「月とコーヒー」が印象に残りましたので、この本も読んでみることにしました。青いインクの「六番目のブルー」に関する連作のような感じとなっているのですね。主人公の少年は亡くなってしまった師匠が愛用していた青いインクがなくなってしまいそれを求めて、おじさんとあちらこちらと旅をします。いい人ばかりに出会いますがなかなか求めるものは見つかりません。次に続いていくようです。2023/11/28
けんとまん1007
119
吉田ワールドならではの風味。旅。インク「6番目のブルー」は、何を象徴しているのだろうか。「6番目」というのも気になるし、「ブルー」もどんな色合いなのかが気になる。それだけも、想像を掻き立てられる。しかも、以前に読んだ本の登場人物が出てきたり・・・。次は、どんな展開になるのだろうか、楽しみだ。2021/08/19
tototousenn@超多忙につき、読書冬眠中。
109
☆5.0 本のタイトルが『それでも世界は回っている 1』。なんだか知らないが「1」とある。 ということは、「2」やら「3」も今後出版されるのだろうか。 いつもながら、風変わりな人物と風変わりな物と風変わりな街と風変わりなお店が登場し 風変わりなお話が進行していきます。2021/07/11
シナモン
96
冒頭のオリオの師匠、ベルダの死の場面で語られる「それでも世界は回っている」そこからもう涙がじんわり滲んで、このシリーズもきっと自分にとって大切なものになるのだろうとの予感が。どんなことが起こっても淡々と回っている世界を思うと、虚しくもなるが、なんというか少し安心もする。師匠の魂が宿る六番目のブルーのインクを探す旅に出るオリオ。インクは見つかるのか。次巻も大切に読みたい。2025/06/09




