内容説明
美しい雪山の書店、ブック・シャレー。故郷に帰ってきたエリーは、姉のメグと看板猫のアガサとともに、ミステリ好きの集うこの書店を切り盛りしている。ある日、山腹と麓をつなぐゴンドラの中で男の刺殺体が発見された。男は死の直前に書店を訪れ、アガサ・クリスティ『春にして君を離れ』のサイン入り初版本と、不可解なメモ書きを残していた。時を同じくして、店からは従業員の女性が姿を消す。ふたつの事件には関係が? エリーとメグは、ミステリ好きたちの知恵を借りて推理を働かせることに――謎と雪が降り積もる書店が舞台の新シリーズ!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
319
面白かった。海外ミステリにしてはモラトリアムな主人公の人物造形も、日本人の感覚だと案外普通に思えて、幼稚には感じなかった。むしろ、コージーミステリはこれくらいの軽妙さがあった方が個人的には好み。ちょっとクリスティマニア臭が強すぎるのと、殺人事件と書店員の失踪と過去の詐欺事件のそれぞれが、つながりはあるのに話の展開させ方がスムーズではないせいで、あちこち話が飛ぶ印象があるので、五百頁を越える長さと相まって、読み手を選別してしまうところはある。あと、ゴンドラの造形が全然イメージできなかった。2024/10/28
シナモン
100
美しい雪山書店「ブック・シャレー」。 切り盛りするのはクリスティ姉妹、 看板猫はアガサ。ミステリーも楽しめたけど、この設定が何よりワクワクでした✨ゴンドラに揺られてたどり着く 「ブック・シャレー」。通い詰めたい😆2025/01/27
aoringo
76
コロラドのスキーリゾート地が舞台。ロッジ風書店を営む姉妹と看板猫が事件を追う、コージーミステリー。ゴンドラやスノーシューを使ったりする雪山での生活が目新しかった。登場人物も個性的で、お気に入りは詩人の相棒である気高きロバのカラミティ・ジャネット。姉妹が敬愛するアガサ・クリスティのトリビアが散りばめられているのも嬉しい。続編もあるそうなので応援したいきたい!2024/11/19
ナミのママ
76
殺人が起こっても嫌味のないコージーミステリ。スキーリゾート地の中腹に建つ書店「ブック・シャレー」営むのはクリスティ姉妹、愛想のない看板猫の名前はアガサ。そう、これはクリスティ愛に包まれた作品だ。移動にはゴンドラを使うこの街、その中で見つかった刺殺死体。この人は誰?犯人は?ストーリーの展開が遅めで少しイラっとした前半だが美味しそうな食べ物と個性あふれすぎる登場人物がわちゃわちゃとかき回してくれる。『春にして君を離れ』がキーとなる一作目。シリーズになるかな。2024/09/28
Kokopelli
62
昨年の末頃から読んでいたのだが登録を忘れていた。500ページ余の作品だが、それにしても時間がかかってしまった。読友さんのレビューを読んで手にしたが、その中にもあった「冗長」。まぁ海外小説にありがちな状況と心象の描写のくどさをそのまま翻訳すればそうなるなぁ、ということ。でも、舞台のロケーションは良かった。コロラド州のスキーリゾート地の中腹にある集落に位置するシャレーの本屋。しかもそのロフトに寝起きしている。薪がはぜる暖炉の側でたっぷりのコーヒーと読書。景色も最高だろう。続編もあるらしいとあり、どうしようか。2025/01/03
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