赫夜

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赫夜

  • 著者名:澤田瞳子【著】
  • 価格 ¥2,420(本体¥2,200)
  • 光文社(2024/07発売)
  • ポイント 22pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784334103811

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内容説明

延暦十九年。駿河国司の家人・鷹取は、軍馬を養う官牧で己の境遇を嘆く日々。ある日、鷹取は富士ノ御山から黒煙が噴き上がるのを目撃し、降り注ぐ焼灰にまみれて意識を失う。一方、近隣の郷人や遊女などの避難民を受け入れた牧は混沌とする。灰に埋もれた郷で盗難騒ぎが起こり、不安、怒り、絶望がはびこるなか、京から蝦夷征討のための武具作りを命じられる。地方の不遇に歯噛みする鷹取は――。【電子版には直筆サインなし】

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

215
澤田 瞳子は、新作中心に読んでいる作家です。 図書館本なのに、珍しく著者のサインが入っていると思ったら、史上初?【全冊著者直筆サイン入り!】でした。著者の男(女)気が感じられる一冊でした。 平安時代、富士山延暦噴火、歴史パニック長編、火山のメカニズムが解っていて、ある程度予測がつく現代においても大騒ぎになりそうなので、1,000年以上昔は、相当酷い状況だったと推測されます。 https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/97843341038112024/10/18

パトラッシュ

184
巨大な自然災害と闘うドラマはハリウッド映画の定番だが、延暦の富士山噴火に巻き込まれた群像劇はもっと激しく容赦ない。主人に置き去りにされた家人の鷹取が、庶民など見捨てられるのが当然の世で必死に生きねばならないのだから。未来を失った鷹取にとって苦痛と絶望しかない状況だが、数え切れぬほど人の死と弱さ愚かさを見て、牧場に仲間と居場所を見つけ助け助けられる経験を重ねて成長する姿が噴火からの復興と重なる。坂上田村麻呂に仕えた友人が後悔なく死んだと知り、自分も精一杯生きるだけだと悟るラストは見事な成長小説となっている。2024/08/17

いつでも母さん

153
ふぅ・・澤田瞳子さんの熱を見せつけられた歴史パニック長編小説。かなり斜め読みの所も正直あったものの、何とか読了。全冊直筆サイン入りも凄い!今から1200年以上前の延暦19年富士山噴火を紡いだ力作。そうよね、富士山は活火山なのだ。その時私たちは、この国は・・2024/08/24

hiace9000

125
歴史上残る富士山延暦大噴火。平安時代における天変地異と、被災した数多の人間に焦点を当て、被災地と人間性の復興に向けて絶望と厄災に屈することなく踠き生き続けた人々を活写。人間の愚かしさや逞しさも含め、現代を赫々と照射する。『火定』ではコロナ・パンデミックを予見し、今作でもまた…と思うのは邪推に過ぎるか。ただ、まったく異なるように見える社会・権力構造や、当時の蝦夷、現代で言えば他国との関係性などは現代にも置き換え得るようにも。利己主義や保身など愚かしい人間性の根幹部分は、少しも変わっていないことを諷喩する。2024/08/14

のぶ

124
平安時代の延暦十九年に起こった、富士山の噴火を描く歴史パニック小説。主人公の駿河国司の家人鷹取は、近くの市に出かけていて富士ノ御山から黒煙が噴き上がるのを目撃し、降り注ぐ焼灰にまみれて意識を失う。そして近隣の郷人や足柄山の遊女などの避難民を受け入れた牧をはじめ、多くの人々を大きな騒ぎに巻き込んでいた。とにかく自然情景や当時の人たちの描写が緻密で的確。平安の世の京ならまだしも、こんな地方の世界を描けるのは澤田さんしかいないと思う。並行して坂上田村麻呂の蝦夷征伐も描かれていて、とても充実した内容だった。2024/08/09

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