ソヨンドン物語

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ソヨンドン物語

  • ISBN:9784480832214

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内容説明

資産価値にこだわる者の果てしない欲望と苦悩。持たざる者の苦労と、未来への希望。韓国中間層の現実をリアルに描いたハイパーリアリズム連作小説。舞台はソウルにある架空の町〈ソヨン洞(ドン)〉。近年の不動産バブルやマンション購入、過剰な教育熱、所得格差といった社会問題が、住民の悲喜こもごもとともに描き出される――。

目次

春の日パパ(若葉メンバー)/警告マン/シェリーのママ、ウンジュ/ドキュメンタリー番組の監督、アン・ボミ/百ペ雲グン学院連合会の会長、ギョンファ/教養あるソウル市民、ヒジン/不思議の国のエリー/作家の言葉/日本の読者の皆さんへ/訳者あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ふじさん

92
図書館本。ソウルにある架空の町・ソヨン洞を舞台に、そこに暮らす人々の、近年の不動産バブルやマイホーム購入、過剰な教育熱、所得格差等、韓国における社会問題が、ソヨン洞の喜怒哀楽が見事に描かれている。他人事とは思えない厳しい現実が見え隠れして、心が痛む。著者が語っているように、個人ではどうすることも出来ない時代と不幸を前に、我々は何を選択し、どんな対応をすべきなのか悩み、更には人間らしさを失わずどう生きるかを問いかけているような作品。登場人物は、国民性の違いはあるが、それぞれの個性が際立っていて面白い。 2024/11/06

ケンイチミズバ

74
ソウルでも東京でも同じマンションに住まう世帯ならば世帯年収から生活レベルから同程度だろう。周辺の教育環境や通勤を考えての購入だろうなと思える。そういう意味では同類の巣。その同類の会話がメインになっている。ただ、当たり前だけど人それぞれの抱える悩みや考えはそれぞれ。マンションの資産価値を気にしてやまない、リタイヤ後近隣マンションで警備員をする父親が住民からのハラスメントに反撃、子供がバイリンガル幼稚園に通うママ友同士のぎくしゃくした関係、東京でも日常の光景で変わらない。これ、文学なのか?と思いながら読んだ。2024/08/15

ケイティ

35
ソヨンドンという架空のエリアを舞台に、そこに立ち並ぶ様々なマンション群と住民たちを取り巻く連作短編集。さすがベストセラー作家だけあり、テンポよく展開もしっかりしていて引き込まれました。登場人物が多いけど、キャラの個性が際立つ描写が面白く、知り合いのように感じてきました。韓国社会における不動産事情、人間関係の濃さと生々しさが終始垣間見えて、エンタメだけど考えさせられる1冊。2024/08/08

星落秋風五丈原

27
「何を書きたいのかわからない」「着地点どこ?」という感想が多かったが、たぶんこれ春の日パパは実はこの人でした。バーン!って決着をみんな期待してたと思う。でも群像劇、オムニバス描写劇になってしまいましたからね。2024/09/09

あおでん@やさどく管理人

24
作品中に登場する問題は、個人ではどうしようもないことも多い。それぞれの作品で登場人物たちの選択が最後に描かれるが、その結果どうなったかはほとんど描かれない。魔法のような解決策はないから、そこには人々それぞれの選択があるのみ。先の見えない時代、自分で考えて選んで進んでいくしかない、ということか。2024/11/30

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