内容説明
関ヶ原前夜、山深い田舎で育った十三歳の於くらは、越前府中城の炊事場で下女働きを始める。ある夜、一人夜中まで働く於くらのもとに、城仕えと覚しき初老の男がつまみ食いをしにやって来る。於くらの作った夜食をうまそうに食べるその人物は、なんと城主・堀尾吉晴だった……。料理の才に恵まれた少女が、自らの才覚と実直な人柄で戦乱の世をひたむきに生き抜いていく、戦国グルメ絵巻!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しゃお
18
戦国時代末期の越前の国。農家の娘の於くらが人に寄り添う料理を作る姿が清々しくも凛々しく映る、お仕事小説であり成長物語。地元が舞台だけに冒頭から知っている場所が出てくるのでイメージしやすかったです。基本的に悪い人がいないので読み終えて心地良くなれるのもいいですね。欲を言えばもう少しじっくり読みたいと思わせる、恋愛や歴史的背景、武士の誉、それに戦についてなど様々な要素も詰まっています。於くらにとって料理が戦ではあるけど、それを通じて未来へと繋げていこうとする姿、眩しかったです。2024/12/02
ごへいもち
11
いろいろ違和感。苦手な戦国時代だからかな 2024/08/18
那生
0
百姓の娘、於くらが城の台所衆になる。 色々あって、めでたしめでたしだけど、めでたすぎだよ(笑) もう少し深く書いて欲しかったなあ。 2025/05/15
グランくん
0
戦後期末期、秀吉死後に越前で農家の娘から府中城の厨房方にあがった、於くらの姿を描いた物。 城主は堀尾吉晴。尾張出身で、信長秀吉と仕えた。吉春は、下女であった於くらを気に入り色々と注文を出し、便宜も図った。関ヶ原では、息子共々家康に付き、論功として出雲で大封を賜った。 別れに際し、於くらは吉晴と約束する。人の心に寄りそった料理を作ると。 台所衆しかも女性という、目新しい視点からの戦国物語です。 一生懸命、仕えようととする於くらの成長の姿が描かれております。2024/05/01