内容説明
自閉症の新たな理解のために
ドナ・ウィリアムズ、東田直樹……自らの困難を内面から詳しく語れる自閉症者が増え、「感覚過敏」という症状がよく知られるようになりました。これら当事者の語りから学び、かつ語ることのできない多くの自閉症者の症状を集めて分析した著者は、感覚過敏はたんなる症状のひとつではなく、それこそが自閉症の発生源ではないのか、という仮説に至ります。男性脳や現代の生育環境といった要因との関係にもふれながら、その思考と検証の過程を紹介、当事者の感じ方に配慮した支援のあり方を探ります。自閉症理解に一石を投じる書!
【著者】
熊谷 高幸
福井大学名誉教授
目次
自閉症と感覚過敏――目次
はじめに
第1部 感覚過敏がつくる世界
1章 長いあいだ見逃されてきた特性
2章 自閉症者はどのような感覚過敏をもっているのか?
3章 なぜ、人とのかかわりがむずかしくなるのか
4章 つながりにくい記憶と時間
5章 心と体のかみ合いにくさ
第2部 自閉症の発生過程
6章 自閉症の大もとになる特性としての感覚過敏
7章 もうひとつの要因としての男性脳
8章 感覚過敏と初期発達
第3部 支援の考え方
9章 自閉症の人と共存・協働していくために
10章 構造化という方法
11章 言語による構造化
12章 自閉症の中の特殊と普遍
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
s-kozy
78
有害本。これはひどい。以下、引用。「自閉症を生みやすい素質は遺伝などによってあらかじめ決まっているにしても、それがどのように現れるかは初期の生育環境が重要な役割を担っていると考えられる」(122頁)。「なぜ、この境目を超えて自閉症の方に移行する人々が増えてきたのか?第一の原因は、(略)、生まれて間もなくの家庭内の環境変化である」(161頁)。引用、以上。そんなことあるかーい!自閉症のことを知らない人や経験の浅い支援者や教育者がこれを読んだら「自閉症の◯◯さんは育った環境が原因で発症したのね」って誤解(続)2017/07/06
♪みどりpiyopiyo♪
36
自閉症の当事者の間では以前から言われていた「発達障害って身体障害だよね」「本当に困っているのは感覚過敏」って実感が見事な仮説にまとめられました☆ ■「自閉症の症状」として近年やっと医学的に認知された感覚過敏を、この本では、自閉症の結果ではなく、むしろ感覚過敏が自閉症の様々な不自由の原因なのではないか、他の発達障害も同様なのでは、と仮説を立てています。(例をコメント欄に)■前半の「感覚過敏と自閉症の関係性」に触れた部分は素晴らしかったのだけど、後半は残念な内容でした。(委細コメント欄へ)(2017年)(→続2017/08/13
Natsuko
17
自閉症について年々支援方法の考え方が変化している。学べば学ぶほど難しさも実感するが、引き出しを増やすことでより豊かな経験を積めるはず。以下メモ。外部の刺激からの回避行動と、刺激の受容とその世界への没入。感覚による運動の抑制、逆に感覚と強く結びついた行動は現れやすい。人の顔を見分けられない患者も。忘れて前に進むことが困難。全体的な一体感の保ちづらさ。縄跳びが苦手、ブランコが好き。システム化の高さと共感性の低さ。構造化という考えは広い立場から捉えるべき。関連図書として紹介されている「コンビニ人間」も読みたい。2019/12/10
ヒラP@ehon.gohon
16
自閉症の子たちの極端な行動変化について理解できたように思います。 著者が現場に直接関わりを持たない方なのか、理論と仮説に基づいている要素が多いので、誤解認識もあるようにも感じましたが。2017/12/14
ペダたま
10
なるほどという程に参考になりました。 もう少し早く読んでいたら、という思いもあります。2018/03/20
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