生殖記

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生殖記

  • 著者名:朝井リョウ【著】
  • 価格 ¥1,683(本体¥1,530)
  • 小学館(2024/10発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 450pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784093867306

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内容説明

『正欲』から3年半ぶりとなる最新長篇。

とある家電メーカー総務部勤務の尚成は、同僚と二個体で新宿の量販店に来ています。
体組成計を買うため――ではなく、寿命を効率よく消費するために。
この本は、そんなヒトのオス個体に宿る◯◯目線の、おそらく誰も読んだことのない文字列の集積です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

771
基本的には一人称語りなのだが、その語り手が意表を突く。なんと生殖本能がその語り手なのである。生殖本能としては、古今東西、おそらく初めての檜舞台であろう。彼(?)が今回(どうやら、このモノは輪廻転生するらしいのだ)取り憑いたのは、尚成(30代のサラリーマン)であった。そして、この男性は周囲には秘し隠してはいるが、ゲイである。隠さなければならなくなったのは、そうしなければ生きづらいという理由からに他ならない。小説は、この生殖本能の語りを基軸としつつ、尚成のモノローグ、また時には三人称体の会話文から構成され⇒2025/11/08

パトラッシュ

704
人の中に棲む人ならざる意志が語り手とは、山田詠美『アニマル・ロジック』を思い出す。どちらも想像外の視点から人の生態を見ていくのだが、その意志の棲み処が20代男性の生殖器というのが今作のカギだ。もし彼がプレイボーイか強姦犯ならポルノか犯罪物になるが、夢も希望も性欲も皆無な草食系では活躍しようがない。しかし欲望や激情とは無縁な彼は逆に周囲から信頼され、相談を受けたり愚痴の聞き手となって意外な秘密を知ることで己の幸福とは何か考えるようになる。現代の若者こそ人ならざるものに変わってしまうのではとの恐怖すら感じる。2024/12/11

starbro

701
朝井 リョウは、新作をコンスタントに読んでいる作家です。 久々の小説は「正欲」の進化系かと思いきや、故橋本治が憑依したような作品でした。本年度一番の衝撃作❓❓❓ https://www.shogakukan.co.jp/pr/asai_seishokuki/2024/10/21

bunmei

605
『生殖記』という意味深なタイトルの朝井リョウの新刊。『生殖』とは、本来生物学的にも種の保存という観点からの本能的な行為でもある。しかし現代社会において、マイノリティーや多様性、同性愛が必然的に叫ばれている中で、実際には、世界的な人口減少に歯止めが掛からず問題ともなっている。そんな生物学的観点に視点を当てながら、同性愛者の一人の男(個体)の生殖本能を主体として綴られていく。そして、『共同体』という社会や組織、会社における、そうした人々の立ち位置に伴う苦悩や不平不満へのジレンマを、客観的な視野で分析している。2024/10/16

うっちー

560
現代批判で面白かったが、終わりかたが‥2024/10/21

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