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内容説明
犬、ねこ、鴨、ペンギン……
動物や鳥の義足や体を支える器具を専門に作っている人がいます。
人間のための義肢装具士を目指して専門学校で学んでいた島田旭緒さんは、
「犬やねこにも、体を支えるコルセットや、失った手足の代わりの
義肢があれば、ふたたび歩くことができるのでは?」と気づきました。
専門家がいないなか、何年も試作を繰り返してようやく獣医師に認められ、
思い切って製作所を立ちあげます。
当初は依頼がなくて追い詰められた島田さんですが、
獣医師の紹介から徐々に依頼が増え始め、以来、作った装具は3万匹分。
出会った動物たちには、それぞれのドラマがあります。
島田さんは、どんな活動をしてきたのでしょう?
<すべての漢字にふりがなつき。小学校中級から>
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ままこ
64
在学中、人間の義肢を作っているところはあるのに、動物の義肢を専門に作っているところがないことに気づき動物専門の技師制作会社を作った島田さん。獣医師さんとの連携の大切さもきちんと書いてある。色んな動物の装具があり、自由に動けずにいた動物が装具で自由に動けるようなった様子を見ると読んでるこちらまで嬉しくなる。写真付き(白黒)で文字も大きく、著者の沢田さんのすっきりとした文も読みやすい。飼い主さんたちの動物たちへの愛情、島田さんのより良い義肢や装具を作ることへの情熱。真摯な持ちが伝わるノンフィクション。2024/10/22
ぶんこ
47
日本で唯一の動物のための義肢装具士となった島田旭緒さん。飼い主や障害を持つ動物たちにとっては救世主。獣医師だんとタッグを組み、医師の助言と指導、そして飼い主さんの要望を参考にベストワンを作る日々。何度も改良を重ね、遠い地も厭わずに駆けつける姿勢に感動しました。犬が多いのですが、猫、合鴨、ペンギン、ポニー、たぬき、羊、犬鷲!まで。動物に対する揺るぎない愛情と信頼が感じられて思わず涙ぐんでしまう。もっと動物義肢装具士が増えるといいですね。2024/09/21
瑪瑙(サードニックス)
27
犬の車いすを作っておられる方は以前テレビで見たことがあったけれども、義足を作っておられる方がいたなんて驚きでした。犬・猫だけじゃなく、ペンギン、合鴨、うさぎ、羊、イヌワシ、ポニーなど様々な動物たちの不自由な部分を補う優しくて素敵なお仕事でした。2024/10/13
宇宙猫
20
★★★★★ 犬猫だけじゃなくて、合鴨やペンギンの装具まで作っているのに驚いた。鳥は華奢だし軽くないといけないので難易度が高いだろう。島田さんの頼もしさが際立つ話だ。アメリカでは3Dプリンタを利用して制作しているというのは目から鱗。技術の進歩を上手く利用して、この仕事がもっと広がるといいと思う。2024/09/07
スリカータ
9
心温まる本でした。日本で初めて動物の義足を作る会社を立ち上げ、今や6名の技師を抱え日本中を駆け回る島田旭緒さんのお話。動物ときっても犬猫の他にポニーやアヒル、猛禽類、タヌキなど依頼されれば何でも作ります。一匹ごとに詳細な寸法をとり、調整を何度も重ねる非常に根気の要る仕事。装具を着けた様々な動物の写真を見て、涙ぐんでしまいました。私も、右腕のない元ノラ猫を飼っていました。障害を器用にカバーしていたけど、島田さんに義手を作って貰っていたらどんなに快適に暮らしただろう、と思いを馳せました。2024/08/06