内容説明
フランス、パリに衝撃を与えた建築「新凱旋門」=ラ・グランダルシュ。
この建築の空間性、社会性、政治性を余すところなく描き、
文学作品へと昇華させたのは、サン=テグジュペリを大叔父にもつロランス・コセ。
新国立競技場、大阪万博と巨大建築に揺れ続ける日本人におくる、一大建築抒情小説。
「緻密にして壮大。この小説も一つの巨大な《アルシュ》だ」
――九段理江(『東京都同情塔』)
◆フランソワ・モーリヤック賞、建築書賞受賞作品◆
〈あらすじ〉
パリに計画された「テート=デファンス」の設計競技は、黒川紀章も審査員に名を連ねた国際的なコンペだった。242の案の中から設計者として選ばれたのは、名も知られぬデンマークの建築家、ヨハン・オットー・フォン・スプレッケルセンだった。きわめて純粋な立方体としてのフォルムをもつこの建築は、実現が容易ではなかった。この建築を気に入り、自らのシンボルにしようと情熱を注ぐ時の権力者、フランソワ・ミッテラン。自身の案は落選したが、フランス側の建築家としてこの案を実際に建設したいと協力するポール・アンドリュー。さまざまな人物の思惑がうごめく中、建設計画は進んでゆく。当のスプレッケルセンは、デンマークとあまりに違うフランスの考え方に戸惑いながらも、自身の信念を貫き通そうとするが……
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ばんだねいっぺい
15
芸術と仕事、自己と仕事のつながり。現実と理想。擦り合わせることは、妥協なのか。振り返ると、海辺の出会いが暗示的で完成の物語より、建築家の人生の方が印象的だ。2026/07/25
豚羊於間抜
4
映画『新凱旋門物語』を観たあと読んだ。デンマークの建築家ヨハン·オットー·フォン·スプレッケルセンのキューブに込めた思いが、国家的プロジェクトであるがゆえにどんどん彼の思想とかけ離れていく様子が映画よりもはっきりと具体的に網羅され完成にこぎつけたことは良しとするけれども、なるほどこういうことかと理解できた。訳者の北代美和子氏が本書中の『精神的暗殺』という言葉に寄せてザハ·ハディドの死に言及しておられるが、さもありなむと思った。2026/08/13
takao
4
ふむ2024/08/22
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