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内容説明
本書の主人公、まりかは小学校に入り、いろいろなことにお金がかかることに気づきます。そして、お金について調べていくうちに、「ひんこん」の存在に気づきます。どうしてそうなってしまうのでしょう?
日本の子どもの貧困率は先進国の中でも高いといわれています。一時期と比べると低下してきているものの、依然として高く、コロナの影響で高まることが懸念されています。特に、相対的貧困の生活水準で暮らしている世帯の半数がひとり親世帯であり、この世帯の生活水準が一層低下する恐れがあります。
そういう現実があるということを、親と子はどう考えていくべきなのでしょうか? 本書を通じて、まずは基本的なことを知ったうえで、親子で一緒に「貧困」や「格差」、「公平」について考えてみましょう。
【もくじ】
はじめに
この本に出てくる人びと
この本の使い方
第1章 お金のはなし
第2章 お金はどこからくるの?
第3章 もらえるお金のちがい
第4章 はたらけない人
第5章 こまったひとをたすけるしくみ
第6章 たすけてもらえない人
第7章 ひんこんの子どもがすくない国
第8章 みんなができること
おわりに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たかこ
49
うちも子どもとちゃんと話をしたことはないな。「生活にはお金がかかる」ことは、子どもが成長する中でうちはここまではできるとか、そこまではできない、と話すことでなんとなく察してね、という感じだった。大事なのは、「自分とは違う生活をする他者の気持ちが想像できること」、「あの子は〇〇だから貧困」というようなステレオタイプな見方をしないこと、自分の生活が社会つながっていることを学ぶこと。本当に貧困の渦中にある子に、この本は届くだろうか。この本に出てくるような世帯の子が学ぶことが大事なのかも。2023/06/19
りらこ
24
難しいテーマを本にしたものだと思う。こどもの貧困に焦点。貧困は本人のせいではない、というメッセージが押し出されているのは良いことだと思う。というのは、努力が足りないから貧乏だ、とか、ダメな奴だからお金がないとか、そういう価値観がいじめや差別につながると思うから。以前お金を稼ぐのも才能のうちだと思う、と医者をしているママに言われたことがあるけれど、忘れないほど内心反発した。話が逸れた。まぁ貧困じゃない立場でものを考えているので逼迫感はないけれど、読んだ子がどうにかしようという気持ちにさせられる良書だと思う。2022/11/24
k sato
20
貧困はタブーなのか。貧困といえば食糧がなく飢え死にする国々を思い浮かべた子ども時代。日本はバブル真っ只中。物乞いはあっても、貧困とは無縁だったのではないだろうか。あれから30年。日本でも貧困が社会問題化するとは誰が予想できただろう。そんな時代にあっては、家庭でも貧困について語り合う場を設けてもよいのではないか。そんな思いからこの本が生まれたようだ。病気や失業等により働けない人を「だめな人」と価値判断しないようにという願いが込められている。しかし、貧困家庭にあっては気持ちのいい本ではない。2023/11/20
U-Tchallenge
4
子どもの貧困について丁寧にわかりやすく書かれている印象であった。子どもがなかなか興味を持つ内容ではないかもしれないが、読んでみると子どもなりに考えることがいくつもあるのではないだろうか。そして、子どもだけでなく大人も読んでみることをおすすめしたい。子どもが理解しやすいということは大人も理解しやすいということだ。子ども向けと思わず、一度目を通してみてもらいたい。2023/03/13
銀雪
3
友人が編集に携わった本&読書会が行われる、ということで読んだ。子ども向け(小学校低学年くらい?)なので、平易な言葉で読みやすい。終盤の大人向けの解説もデータ豊富で良かった、けど「かわいそう」というメッセージにはしないようにした……という意図は正直伝わらなかったし、主人公のまりかちゃんも恵まれたポジションだしなぁ……という気もする。ただ、こういった本を読む人は「こどものひんこん」の当事者ではなくまりかちゃんの立場の子が多いだろうから、これで良いのかもな。弟のゆうとくんの出番があまりないのが意外だった。2021/12/15