文春文庫<br> 死者は嘘をつかない

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文春文庫
死者は嘘をつかない

  • ISBN:9784167922405

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内容説明

作家デビュー50周年記念刊行、文庫オリジナル長篇!

この小説は、「ぼく」ことジェイミーの回想記であり、そしてこれはホラーストーリーだ。
そう、だってぼくには死者が見える――。

「死人の霊が見える」という、古典的とさえ言える設定。
それがキング流に調理されると、他の何者とも違うユニークな物語が立ち上がる。

ジェイミー少年は、ものごころついた頃から死者が見えていた。死者の世界にはいくつかの決まりがあるようだった。
死者は死ぬとすぐ、死を迎えた場所の近くに、死んだときの姿で現れる。
長くても数日で、だんだん薄れていって消える。
普通の生者にはぼんやり存在が感知される程度だが、ジェイミーだけは会話を交わせる。
そして、死者は嘘をつけない。

文芸エージェントの母。若年性認知症を発症した伯父。
母の親友のタフな女性刑事。同じアパートの引退した名誉教授。
母のクライアントの売れっ子作家。警察をあざ笑う連続爆弾魔……。

ジェイミーはその能力ゆえに周囲の人々の思惑にたびたび振り回され、奇妙な目にあいながら、どうにか成長していく。
しかしある事件をきっかけに、いよいよ奇怪な事象が彼本人の身に降りかかってくるのだった――。

少年の成長物語を書かせれば天下一品、そして言わずもがなのホラーの帝王が、両者を組み合わせた「青春ホラーストーリー」。これが面白くないはずがない。
最後の最後まで驚きを仕込んできて読者を油断させてくれず、自身の代表作のある「ネタ」をからめてくるファンサービスも怠りなし。
どこを切ってもキングという円熟の筆で心おきなく楽しませてくれる、記念刊行にふさわしい逸品!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

228
スティーヴン・キング作家デビュー50周年記念刊行第3弾、スティーヴン・キングは数十年に渡って読んでいる作家の一人です。本書は、スピリチュアル青春ホラー、あっさり目の作品でした。 https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167922405 https://books.bunshun.jp/sp/king2024/07/11

KAZOO

131
比較的最近の作品のものです。キングとしてはかなり短めの感じがしました。主人公の少年が死んだ後の人物が見え話を聞くことができます。若干最近のキングの作品は怖さがあまりなくなりむかしが懐かしくなります。クージョ、シャイニング、ペット・セメタリ―、ITなどと比べてしまいます。この作品ではこの主人公の生い立ちが最後に明かされる感じです。2024/08/09

yukaring

113
これは久しぶりにキングらしい青春ホラーの傑作。死者と会話ができる少年ジェイミー。そして死者にはある特徴がある。彼らは嘘をつくことができないのだ・・。不思議な力を持ちそれに翻弄される子供たち、彼らの抱く恐怖心や心の葛藤、覚悟を描かせるとキングの右に出るものはいないと思う。ジェイミーの力を知っているのは母親のティアとその友人のリズだけ。2人の窮地を救うため死者と会話をしたがために恐ろしい出来事に巻き込まれていくジェイミー。懐かしい「チュードの儀式」や「死の光」も登場する『IT』の世界観を彷彿させる物語だった。2024/08/04

道楽モン

106
キングの小説を読むのは久しぶり。90年代はもう熱心にすべて読む模範的な読者でした。『IT』とか『グリーン・マイル』あたりでフェードアウト。キングのパワーについていけなかったのかもしれない。ロックでいえばローリング・ストーンズ。まだ演ってる(書いている)のかよーという感覚(失礼だよなー)。 天才の特徴として、作品の量と質が常軌を逸しているというのがあるが、まさにキングさん、あなたの事です。で、本作は(あとがきによると)、「死者が見える」「死者は嘘をつかない」「少年の成長物語」の三題噺。さすがの貫禄です。2024/09/08

ケンイチミズバ

92
テレビで戦艦大和搭乗員の英霊が降りて来た少年のことが放送されてた。ジェイミーは霊媒師(笑)で幽霊が見え、会話ができる。小さい頃は怖かったけれどそのスペックを困った大人が利用してしまう。特にヤバいのは母親の元恋人の刑事リズ。道徳的に酷い。薬物横流しで内部監察に内定されていたものの彼の助けによるお手柄で一旦は免れる。児童虐待だ。ジェイミーの育った環境、シングルマザー、投資の失敗による生活レベルのダウン、薬物が身近なアメリカの日常、良識ある大人、優しく正しい人だけでない世の中を知りながら成長していくジェイミー。2025/02/13

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