内容説明
「目が覚めると、身体に異変があった。やる気がみじんも湧いてこない」。三年で十冊の本を刊行してきた著者は、ある日突然頑張れなくなった。ケンブリッジ、パリ、フィレンツェ、ローマ。旅しては書き、書いては旅する日々の中、気づくと活力はゼロに。文芸業界、執筆スタイル、己の脳に至るまで様々な分析を試み辿り着いた現在地。夫の解説付。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
青乃108号
185
未だに小説は読んでないけど、新川帆立さんのエッセイ2冊目。読んでいて何て真面目で一途な人なんだと感嘆する程に、その人柄が滲み出てくる様な作品。今月は珍しくエッセイをかなり読んだ(と言っても殆んど川上未映子作品)けれど、エッセイって、何か無理矢理捻り出した感が滲むものだなあと思ったのよ。ところが、この人の作品はその無理矢理感が微塵もないの。ああ、この人は文章を書くのが好きなんだなあ、好きで好きで堪らないんだなあ、って解るのね。常に自然体で息苦しくなくて、読んでいて心地良い。旦那さんの後書きも微笑ましくてね。2025/01/31
Kanonlicht
85
著者のエッセイ集第2弾。デビューから3年、ものすごいペースで作品を発表するかたわらで、こんなにいろんなことをやっていたのかとそのバイタリティに感服した。新人作家あるあるのアンチとの戦いや、小説のためなら空手も習うしマンガやラノベに学ぶ。そして前回のバッグ愛に引き続き、今度は時計! 赤の他人の我々にも著者の個性がこんなに認知できるのは、ひとえにありのままを正直に語る著者のサービス精神によるものだと思う。米国のフォトグラファーが撮った宣材写真に爆笑。 2024/06/18
Ikutan
79
東大出身。デビュー作の大ヒットから次々と話題作を刊行してきた帆立さん。勝手に凄い超人的な人だと思い込んでいたのですが、ユーモアもあって、なかなか気さくな人柄だったんですね。そして、片付けや事務処理が苦手だったり、衝動買いをしてしまったりとADHDの生きづらさを感じていらっしゃっていたとのこと。そんな帆立さんのエッセイ第2弾。ハリーポッターが大好きなのでイギリスから始まったヨーロッパ体験記に興味が湧く。著者近影には笑わせてもらったよ。バッグや時計の話題も楽しくて、これは、『てんやわんや編』も読まなくちゃ。2024/07/18
itica
75
東大卒で弁護士でプロ雀士で小説家。才能に恵まれバッグと時計を溺愛し、人も羨むとは帆立さんのような人だと思っていた。正直、前半までは光り輝く人のエッセイだった。しかしそんな帆立さんにも悩みがあり苦しみもある。回転ずしを「クルクル」と呼ぶ可愛さ、アクション描写のために空手を習う生真面目さを好ましく思う。体力には自信があるとおっしゃっているが、帆立さんの愛する人、帆立さんを愛する人たちのためにも無理をせずにと願っている。 2024/08/30
いたろう
70
帆立さんのエッセイ第2弾。ヨーロッパ滞在記、バッグ、腕時計への偏愛ぶりなど、なかなか楽しいが、「小説修行編」で、また意外な帆立さんの一面を知った。結構なハイペースで小説を出していて、頭がいい上に、いろいろ器用だから、何でもできるけど、今は気まぐれに小説を量産しているのでは?くらいに思っていたが、小説のことを毎日とことん考え、とにかく量を書くことで、小説を書く力を上達させようと、涙ぐましい努力をしていたことが分かった。確かに、帆立さんの小説は、デビュー作から、進化していると思う。帆立さんの今後の小説に期待。2024/08/14
-
- 電子書籍
- クックパッド プラス 2025年 春号
-
- 電子書籍
- 素浪人稼業【二】にせ契り コスミック時…
-
- 電子書籍
- 新井萌花が水着で駅伝&ピアノ【70P完…
-
- 電子書籍
- ストーリーな女たち Vol.33 女た…