扶桑社BOOKS<br> 一片冰心 谷垣禎一回顧録

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一片冰心 谷垣禎一回顧録

  • 著者名:谷垣禎一/水内茂幸/豊田真由美
  • 価格 ¥1,870(本体¥1,700)
  • 扶桑社(2024/05発売)
  • 夏のおとずれ!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント25倍キャンペーン(~6/22)
  • ポイント 425pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784594097479

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内容説明

政治資金と派閥問題、渦巻く政治不信、戦争と国際秩序の機能不全……いま、時代の岐路に立つ日本の現代社会。
野党時代の自民党総裁・谷垣禎一が語る「政治の原点」とは──

 2009年の政権転落から約3年での政権復帰──いかにして、谷垣総裁は自民党を立て直し、国民からの信頼を取り戻したのか。今まさに振り返るべき「谷垣イズム」の源流を探る貴重な証言集。


 谷垣禎一元自民党総裁が政界を引退してから六年半が過ぎた。谷垣氏は議員バッジを外してしまったが、今ほど、自民党にとって、往時の復活劇の原動力となった「谷垣イズム」が求められるときはないのではないか。

 2024年現在、自民党は政権復帰した2012年以降で最も深刻な危機に瀕している。
派閥の政治資金パーティー収入不記載事件は東京地検特捜部の大規模な捜査を招き、大半の派閥が解散に追い込まれる事態に発展した。

「自民はなぜ、十五年前に政権を手放すことになったのか。苦しい野党時代にどんな目に遭い、国民の信頼を取り戻すためにどんな努力を重ねたのか。その記憶が薄れているのではないか」

 2024年3月初旬、谷垣氏に今の自民の窮状をどう思うか尋ねると、苦笑いを浮かべながらこんな答えが返ってきた。
自身も「十年程度は野党だと思った」と振り返る2009年の転落により、久々の野党総裁となった谷垣氏。そこから綱領の改定や「ふるさと対話」を開始するなど地道な努力を重ね、党を立て直し、結果、三年三カ月で政権を取り戻した。その努力は、氏のそれまでの半生からくる信条と人間性に裏打ちされたものであった。

本書では、「谷垣禎一」という一人の人間の生き様を出生から現在までたどることで、その信条がどのように育まれていったのかを探り、政権復帰を成し遂げた「谷垣イズム」の源流を見つめ直していく。「加藤の乱」や政権復帰を目前とした総裁選に不出馬を決めた所以など、戦後から現代までの日本政治史の一端を記す貴重な証言集でもある。
また2016年の自転車事故により、首から下が不自由になるという重傷を負った谷垣氏。悲壮感なくリハビリへ向き合う姿勢、リハビリ病院での交流、そしてパラリンピックをどう観たのか……そこにもまた、谷垣氏の人間性の一端を垣間見ることができる。

 あわせて、野党時代に谷垣氏を幹事長や副総裁として支えた大島理森・元衆院議長や、次世代のホープとして注目される小林鷹之・元経済安全保障担当相との対談も収録した。
 大島氏との対談では菅直人元首相からの大連立の打診を断った真相が初めて具体的に語られる。
 小林氏とは、今の自民党が何をしなければならないのか、率直な議論が展開された。

本書を通じ、自民を立て直した「谷垣イズム」が、危機に苦しむ日本政治の良薬となって届くことを期待したい。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

gtn

21
誠実な人という印象。民主党への政権交代で、"野党"自民党総裁として、まず取り組んだのは、参加者十数人のふるさと対話集会。何百人も集めて演説するより、一人ひとりの声を聞くことが重要との著者の言葉に全く同感。菅首相は信用できなかったが、野田首相には誠意を感じたとの述懐にも感じ入る。要は政治は理屈だけではない、情緒、信頼が大きく影響する。その辺り、今の野党連は分かっているのか。引退してなお、将来の日本像を語る著者。不運な事故が惜しい。2025/01/19

8
大敗からの逆転劇。その渦中にいた政治家の回顧録。僅か200ページ強のページ数でありながらも、その理由がよくわかる。今の複雑でかつネガティブな情報が蔓延る世の中でもこうして俯瞰した見地を書いているのは頼もしいものでもある。人に歴史あり。歴史に残る人には魅力があり。2024/08/12

かみかみ

5
谷垣氏は加藤の乱のときに森内閣不信任決議に賛成の意を示した加藤紘一氏を涙ながらに説得しようとしたことや、野党時代の自民党総裁として党を空中分解させずにまとめ上げたことが印象的で、学ぶところがあると思って読んだ。代表を務めた宏池会らしい、保守的だが頑迷ではなく合意形成を重んじる誠実な政治家という印象を受けた。政治資金、自助・公助・共助、派閥政治といった事柄には賛成できない面もあるが、自身の豊富な経験に裏打ちされた理論には一定の説得力があった。あと野田代表(当時は総理)への評価が高い。2025/01/13

みじんこ

5
実際は紙幅以上の苦労があったのだろう。自民党議員の与党志向の考え方は面白い。自身も自転車事故で障害を負ったがゆえの、公助も大切だがまず自助という点が繰り返し述べられておりなるほどと思った。加藤の乱のあの場面が使われ続けることには複雑な思いのようだが、今後も名場面扱いされるだろう。派閥の若手育成の役割等は自分も理解するが、対談相手の大島氏の、自分のグループがあるのは「国民のため」ということを忘れてはいけないという指摘は全くその通りだと思う。本書にはもう一度地に足つけた信頼の回復を目指すためのヒントがある。2024/08/31

菊地

4
谷垣氏の誠実な人柄が伝わってくる内容の回顧録。 野党総裁時代を除くと、「加藤の乱」で加藤氏を止めている場面が有名な人物ではあるけど、「加藤氏を止めたこと」についての悔いが語られていることが印象深い。 2025/01/10

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