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内容説明
表現者にとって生成AIは脅威か?
生成AIを利用した執筆は非常識と思われていたが、
100年後の未来では常識と言われていた――
無名の小説家だった菅井櫓は
100年の冬眠から目覚めると一転、
国民的作家と評されるようになっていた。
現在の自分の評価に戸惑っている時に、
100年経った“現在”の菅井に、生きているはずのない当時付き合っていた彼女からの手紙が届く。
「彼女は生きているのだろうか……」同じ疑問が菅井の頭の中を永遠に回り続けた後、ひとつの決意を固める。
それは再び彼女が喜んでくれる小説を書くこと。
100年経った今、生成AIを使用せずに小説を書いている者などいない世界になっていた。
新しい感動を届ける物語を菅井はどのように執筆していくのか。
物語を紡ぐことに取り憑かれた者たちの近未来譚!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
空のかなた
20
タイトルを「経(たていと)」で止めた巧さを実感。生成AI、コールドスリープ、うだつの上がらない自分への絶望、小説は全て文章生成AIタレットが執筆する時代、小説家ではなく呪言師。SFっぽくないのは主人公の菅井の描かれ方が大きい。彼の心情の推移がきめ細やかに練りこまれていて、苦悩を含めてとてもリアル。先々何か賞をとって欲しいと願う作品に出会えた。2120年の小説は創作の最もドロドロした鈍い混濁色の毒汁、作家の業を生成AIでろ過して出来上がる。孤独も渇望も感じたことのない呪言師を小説家と言えるのだろうか。2024/09/22
JACK
17
☆ 余命一年の宣告をされた小説家の菅井櫓。彼は彼のファンであり恋人でもある更科結依から新作の執筆を頼まれる。彼は新作を書くため、治療法が確立されるまでコールドスリープで眠ることを選ぶ。しかし、次に彼が目覚めたのは100年後だった…。結依の台詞「自分のために生きるよりも、大切な人のために生きるほうが有意義な人生だと思いませんか?」が重い。100年後の世界で菅井は結依のための新作を書くことが出来るのか。創作の苦しみ、恋人を失った辛さ、自分は必要とされないのではないかという不安。色々考えさせられる物語です。2024/09/08
コリエル
8
ジョージ朝倉達が帯を書いていたので読んでみた。100年未来に送り込まれた現代の小説家が、世界に残ったAIの補助を受けない唯一の作家になるという思考実験的なお話で、それこそ現代小説にありそう。こういう世界が本当に来るなら、学習したAIによる既存の文豪達のコピー人格みたいなものが量産され新作を吐き出し続けているような気がするな。ただ本作はリアルなシミュレーションがしたいわけじゃなくて、ある種の哲学的問答のような話をしたいのかなと思った。2024/06/11
たけのこ
4
「経」とかいて「たていと」と読みます。コールドスリープで100年たった未来に生きることになった小説家の主人公。そんな100年後の未来ではみんなAIで創作するようになっていたのでした。 生成AIがテーマのSFなので、そういうの好きな人はぜひ!2024/06/19
ぴよ(toyoneko)
2
AIと人間の関係性を描くSF。様々な議論がありうるところ、どのような展開になるのかとても楽しみ2024/09/29