中公新書<br> 元朝秘史―チンギス・カンの一級史料

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中公新書
元朝秘史―チンギス・カンの一級史料

  • 著者名:白石典之【著】
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • 中央公論新社(2024/05発売)
  • ポイント 10pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784121028044

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内容説明

電子版は本文中の写真をすべてカラー写真に差し替えて掲載。
蒼き狼と白き牝鹿の伝説に始まる『元朝秘史』。チンギス・カンの生涯と事績を中心に、はるかなる祖先の系譜から第二代君主オゴタイの治世までを綴った、モンゴル帝国研究に不可欠な文献である。史書ながら、異母弟殺し、妻ボルテの誘拐、後継の座をめぐる息子たちのいさかいなど、生々しいエピソードも少なくない。魅力に富む壮大な歴史絵巻を、現地での発掘調査に長年携わってきた考古学者が、新知見を踏まえて解説する。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

129
『元朝秘史』は『三国志』に次いで、最も多くの物語やドラマの源流となった。世界最大の版図を征服したチンギス・カンの一代記は世界に夢とロマンを与えてきたが、本体の歴史書はほぼ名前しか知られていない。八百年前のモンゴルが舞台だけに、前提となる現地の風土や生きる人びとの生活や常識は想像もできない。そんな諸事情について最新研究に基づく知見をも含み、何をどのように描いてきたかをわかりやすく解説していく。『蒼き狼』や『チンギス紀』に出てきた人名地名の意味を再確認しつつ、巨大な英雄の実像をもっと知りたい思いをかき立てる。2024/07/17

まちゃ

55
歴史的、地理的情報を交えた「元朝秘史」の解説書。その昔、井上靖「蒼き狼」を読んだ覚えはありますが、その元となった「元朝秘史」については名前程度しか知りませんでした。ユーラシア大陸に広大な帝国を築いたチンギス・カンの生涯と事績は興味深いものでした。ユーラシアステップの遊牧騎馬民族について多少知識を得ることができました。2024/06/17

kk

34
図書館本。モンゴル高原に生きる人々の心象風景としての蒙古族の濫觴や発展の歩みを描き、彼らのアイデンティティの大きな部分を支える『元朝秘史』。本書は、モンゴル考古学を専門とする著者によるそのガイドブック的な著作。最近の考古学上の発見を中心に、学際的な視点からの解説が試みられているのがナイス。著者の基本的な認識は、西遼や金朝など周辺大国の思惑と動向がモンゴル高原での政治的展開に大きな影響を及ぼしていたとする見方。人名や地名など、マイナーな固有名詞には難儀しましたが、然るべく興味深く読みました。2024/08/13

よっち

34
モンゴル帝国研究に不可欠の基本史料となる「元朝秘史」。モンゴルでの発掘調査に長年携わってきた考古学者が、最新の知見をふまえて解説した一冊。元朝秘史の物語の舞台から、神話から史実に至るチンギス・カンの系譜、チンギス・カンの生い立ちとポルテの誘拐・救出、即位と若き日の三大合戦、ジャムカの策謀とケレイト族・ナイマン部族との対立、ジャムカの死と高原の統一、古参新参が入り混じった統治組織の編成の難しさだったり、金国や西域への遠征からチンギス・カンの死とその後まで、ざっと全体の流れを再確認するのに手頃な一冊でしたね。2024/07/01

サアベドラ

32
チンギス・カンの一代記にしてモンゴルの民族叙事詩でもある『元朝秘史』を扱った新書。2024年刊。著者は同『チンギス・カン』の著者で考古学が専門。本文の全12章は原典の章立てと対応しているものの、翻訳ではなくダイジェストと解説で構成されている。内容は大半がモンゴル高原統一までのチンギスと他の遊牧諸部族との戦いの描写なので見慣れない人名や部族・氏族名、地名が頻出。序章に作品の成立、終章に時代背景がまとめられているのでそちらから読んだほうが理解しやすい。詳細の史実性は別として、遊牧民の論理を知ることができる。2024/11/02

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