岩波文庫<br> 支配について Ⅰ - 官僚制・家産制・封建制

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岩波文庫
支配について Ⅰ - 官僚制・家産制・封建制

  • 著者名:マックス・ウェーバー/野口雅弘
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  • 岩波書店(2024/05発売)
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  • ISBN:9784003421017

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内容説明

支配はいかにして成り立ち,何によって支えられるのか.支配の諸構造を経済との関連で論じたテクスト群.ウェーバー没後に編集された『経済と社会』のうち,『支配の社会学』として知られてきた部分を全集版に基づき訳出.詳細な訳注や用語解説を付す.Ⅰは官僚制・家産制・封建制をめぐる章を収録する.(全二冊)

目次

凡 例
支 配
一 権力と支配.過渡的形式
[1]ゲマインシャフト行為,権力の特殊ケースとしての支配,経済的手段
[2]権力と支配,利害関心のコンステレーション(布置連関)と権威
[3]支配の定義
[4]かのように
[5]社会学的観察と法学の概念
二 支配と行政――民主的行政の本質と限界
[6]直接民主主義的な行政
[7]類型論上の極端なケースとしての直接民主主義的な行政
[8]名望家
[9]高齢者と若者,党派問題
[10]規模と複雑性
[11]行政組織の成立
三 「組織」による支配,妥当根拠
[12]組織と装置
[13]レジティマシー(正当性/正統性),幸福の神義論,三つの原理
官 僚 制
[1]近代的官僚の機能様態
[2]権限
[3]官庁
[4]ピラミッド型の階層構造
[5]公文書,役所,公私の分離
[6]官僚の専門性
[7]専業
[8]ルールについての知識
[9]ルールの拘束性
[10]官僚の地位
[11]ベルーフ,官職に対する忠誠
[12]官僚個人の側からみた官僚の地位
[13]社会的評価
[14]例外としてのアメリカ
[15]上からの任命
[16]事柄に即した(ザッハリヒな)行政を確保するための身分保障
[17]給料の低さ
[18]恣意的ではない昇進条件
[19]近代官僚制の社会的・経済的な前提
[20]貨幣経済の発展,官僚の報酬の形態,六つの歴史的実例
[21]行政の業務委託――主人・請負業者・支配される側の人たちの動機の相互作用と反発
[22]官職の経済的な観点,官職の売買
[23]プフリュンデ(俸禄),官僚制から封建制へ
[24]官僚制と従属関係
[25]服従と身分意識
[26]安定した収入,租税システム,貨幣経済
[27]行政課題の量的発展,大規模国家と大衆政党
[28]官僚制と政治的統一,コングロマリット的結合
[29]官僚制化の回避――古代ローマ,イギリス,アメリカ
[30]行政の職務範囲の質的拡大――治安,社会政策,交通
[31]近代国家形成と交通手段
[32]官僚制の技術的優位性
[33]資本主義が官僚制を必要とする理由
[34] 「人を顧慮せず」という原則と市場との親和性,予測可能性,非人間化
[35]ローマ法の受容,カーディ裁判,イギリスとドイツの支配構造の違い
[36]ローマ法の合理化
[37]伝統の拘束とそれからの解放,預言者
[38]自動販売機,合理的に議論可能な理由
[39]民主主義の分裂,形式合理性と内容的正義
[40]経営手段の集中,官僚制的軍隊
[41]軍隊の官僚制化,プロイセンの常備軍,ジェノヴァの「マオーナ」
[42]経営手段の集中と統制
[43]研究・教育における官僚制化,研究所
[44]新しい現象としての官僚制,その阻害要因
[45]経済的・社会的な平準化,官僚制と民主主義の緊張関係
[46]受動的な民主化
[47]民主化と経済的要因,新興階級,ボナパルティズム
[48]古い構造形式と官僚制化の進展,電気の普及
[49]ひとたび完成したら壊れない官僚制,公文書,バクーニン主義の誤謬
[50]官僚制化の経済的影響,利益団体,官僚制と民主主義の対立
[51]官僚制の権力
[52]秘密の増大,官房機密,素人である君主の無力
[53]民間企業における専門知識と秘密
[54]専門化と君主の地位,君主の要塞としての官房
[55]絶対君主制と合議制
[56]長老会議,監査役会,等族会議
[57]合議制的行政の転用と消滅
[58]公私の分離
[59]支配構造と教育・教養,新しい身分,民主主義と試験
[60]専門人と教養人
[61]官僚制的な組織とは異質な構造原理
[62]革命的な作用と合理主義の進展
家 産 制
[1]家父長制的支配構造,日常的性格,パーソナルな服従
[2]家長の権力,家の子どもと奴隷の子ども
[3]風習,伝統,恭順
[4]名望家支配と家父長制の違い,名誉と恭順
[5]経済と女性,性的役割分業,インディアンのサシェム
[6]オイコスと家産制的支配
[7]家産制的支配における主人(家長)と服従する者の関係
[8]伝統によって断片化される家父長制,荘園領主制の成立
[9]家産制支配の権力範囲
[10]直轄地
[11]家産制国家的構成体の定義
[12]政治的支配と家産制的支配の区別とその消失
[13]君主と軍隊
[14]小作人,手の離せなさ,軍事力としての不適格性
[15]奴隷部隊
[16]イェニチェリ
[17]傭兵
[18]割当地保有兵
[19]徴兵された軍隊
[20]家産制的な軍隊の経済的基礎
[21]スルタン制とその脆弱さ
[22]諒解ゲマインシャフトと政治的臣民
[23]臣民の義務
[24]ライトゥルギー(公的奉仕義務)によるニーズの充足
[25]ツンフトと名望家行政
[26]家産制的官職
[27]家人(ミニステリアーレ)
[28]法仲間(レヒツ・ゲノッセン)
[29]官職(利権)の独占
[30]独占的な法仲間,日本(江戸時代)の藩,より一貫した西洋
[31]家産制における身分
[32]西洋とオリエントの違い
[33]家産制的官職と官僚制的官職
[34]不明確な権限,役得利益,利権争い
[35]アドホックな(その都度の)行政と主人の恣意
[36]官僚制的ではない家産制的官僚
[37]食卓ゲマインシャフト
[38]プフリュンデ(俸禄),官職の専有
[39]法服貴族
[40]聖職者のプフリュンデ(俸禄),分権化,文化闘争
[41]プフリュンデ(俸禄)の取引,貨幣経済,勉強する目的
[42]貴金属
[43]パルルマン(高等法院)
[44]脱中心化と型に嵌めて固定化すること,地方の名望家
[45]個人の支配権の束,主人の恣意,西洋とオリエント
[46]働かない高貴な人
[47]権限・官庁の不在
[48]事柄に即した(ザッハリヒな)官職義務の欠如
[49]「個人の時代」としての中世
[50]支配の統一性の維持――巡回,参勤交代,外国人や平民の登用
[51]地方官僚の権限の分割
[52]権力ポジションを維持する方策
[53]古代エジプト
[54]中国
[55]儒教,官僚による文化的統一性,「レッセフェール」
[56]中央からの距離,サトラップ(州総督)と大名,統一性とコングロマリット
[57]脱中心化と統一性の維持
[58]都市建設,荘園制,帝国の統一
[59]荘園領主によるインムニテート(公的負担免除)の要求,地方名望家への発展
[60]イギリスの治安判事
[61]公務の担い手としてのジェントリー
[62]治安判事の裁量と権力
[63]中国とイギリス,行政のミニマム化
[64]ツァーリの権力ポジションと身分的連帯の欠如
[65]家産制の極端なケースとしてのレーエン(封土)関係
封 建 制
[1]封建制の分類
[2]レーエン(封土)
[3]レーエン(封土)とプフリュンデ(俸禄)
[4]日本とイスラーム,西洋の封建制との違い
[5]軍事的起源
[6]レーエン(封土)とレジティマシーの根拠
[7]階層構造,忠誠のコンフリクト,身分的名誉,独占
[8]権力分立,レジティマシーの保障
[9]主観において権利的なものと義務的なものからなるコスモス
[10]協定と身分制国家,ゲゼルシャフト化と家産制のルネサンス
[11]直線的な発展の否定,中間形態と過渡的形態
[12]統一的な頂点,書記と会計の影響力の増大
[13]官僚制化の前段階としての諮問会議
[14]支配構造と教育
[経済との関係における,支配の家産制的および封建制的な構造形式]
[15]経済的な要因,マルクスの挽臼
[16]中央集権的家産官僚制の発展と商業
[17]君主の権力ポジションと商業,商業と対立する封建的階層構造
[18]恣意と資本主義
[19]寄進,ワクフ
[20]重商主義,国家によって生き延びる資本主義
[21]資本主義の発展を阻害する封建制
[22]封建制における法秩序の安定性,資本主義への経路
[23]権力をめぐる競争と資本主義
[24]硬貨の鋳造
[25]支配構造と信条
[26]封建制における生き方,名誉,遊び,オスカー・ワイルド
[27]家父長制的な家産制の社会政策,経済への敵意と嫉妬
用 語
訳者あとがきⅠ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

106
この本はすでに創文社版の「支配の諸類型」で読んでいますが、岩波文庫で新たな訳で出版されたので再読してみました。Ⅰでは「官僚制・家産制・封建制」ということでかなり理解しやすい構成になっています。数ページの項目に分かれていて用語解説もあります。最近の日本ではあまり読まれないのでしょうが、私の時代には比較的重要な参考文献でした。支配の類型の一つとして日本の官僚制と比較して読むとかなり知見があります。2024/05/09

逆丸カツハ

33
ウェーバーはすごいなぁ。圧倒される。官僚制の古さに驚く。理解しきれたとは到底言えないが。ウェーバーその人の人となりに興味が湧く。2025/10/08

nbhd

19
おい、ウェーバー、100年以上も前にその問題意識って、天才じゃね、っていうのが素直な感想。僕の素の頭で、「官僚制」にかこつけて、現在勤務中の某金融機関における本質的な課題について迫るのであれば、問題は「限界中間管理職」にある。中間管理職に「ゆとり」があれば、堅牢強固な官僚的組織にならないのになぁ、と思った。本論の序盤では、少しずつ官僚制の定義がされていくのだが、中盤、古代ローマやイギリス、アメリカの政府組織とプロイセンのそれが比較されていくあたりからブーストする。副業としての統治、これがキーワードだ。2025/10/30

加納恭史

16
古代ユダヤ教(上)は難しかった。支配について、古代の家父長制、カリスマ制、官僚制、封建制など支配と被支配の関係を歴史的に説明することは難しい。そのウェーバーの社会学的な解明意欲は素晴らしい。最初の発言はゲマインシャフト行為、社会行為である。それが歴史と共に合理的なゲゼルシャフト化(目的的合理的な秩序に準拠した関係)して行く。ゲゼルシャフトとは共同的な社会行為の。そこに支配の行使がある。その行為は経済との関連が深い。最初の支配形態は家父長的支配で次に家産制がある。荘園も家産制の一つ。鋭い歴史分析に舌を巻く。2025/09/10

Ex libris 毒餃子

15
支配の正当性についての論拠について勉強出来てよかったです。宗教社会学者からスタートした学者としてのキャリアをまざまざと感じる。後半の政体についても期待しています。2024/11/17

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