内容説明
十七でイタリアに移住、未婚で出産、育児をしながら漫画家デビュー、イタリア人と結婚し世界を拠点に生きるヤマザキマリ。けれど、そんな規格外な母の息子として生まれたデルスは〝世界転校?を繰り返し、繊細な子供心は縦横無尽にかき乱されて ――。母である前に一人の人間、家族でも、各々一人の人間であれ!「地球の子供」を育てる人間讃歌エッセイ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yumiha
37
『Blank Page』(内田也哉子)での対談相手だったヤマザキマリの「私は今地球と連動している」の言葉に心惹かれ、市立図書館で検索したらHitした本書。726という十進分類から、てっきりマンガだと思い込んでいたら、ちゃいますがな、エッセイやんか。かなり強引な?ヤマザキマリの引越(イタリア、北海道、シリア、ポルトガル、アメリカなど)に振り回された息子デルス君の、出生から現在までの日々の暮らしが綴られていた。その土地ごとの様々な言語や文化、価値観などに触れてデルス君は、ほんまにグローバルな青年に育っていく。2025/07/17
たるき( ´ ▽ ` )ノ
36
すっごいなあ。自分の枠に息子を閉じ込めてはいけない、と改めて強く感じた。自由に羽ばたいてほしいし、それを応援できる母でいたい。2025/07/11
Y.yamabuki
20
前半の幾話かが、暖かく心に沁みる。特に三話目のシリアの運転手さん。ニコニコして息子のデルスを見守るおじさん実際の話だと思うと胸が詰まり、シリアで遺跡巡りが出来る時代があったのだと沁みと思う。親に付き合い彼自身も色々な体験をしている。デルスがいたずらされたのを本気で怒る山崎さんも、ここは他の母親と同じと可笑しくなる。息子のことを小さい時から一人の人として扱う姿は、他者に対する接し方にも通じる。自分の価値観を押し付けないこと。全ての人は何よりこの地球に受け入れられ、祝福されている。解説のこの言葉も素晴らしい。2024/10/21
rokoroko
19
ヤマザキマリさんの息子の話をヤマザキマリさん視点で書いている。転勤族どころじゃない破天荒の人生。国をまたいで引っ越し!とかついて行くのは大変だろう。その国その国で言葉もわからず適応していくのもしんどいだろうに。でもそんな心配❔もよそに立派に育っているのは凄い。これからどんな人生歩むんだろう?とお祖母ちゃん目線でおもうの。頑張ってね2024/07/11
うなぎ
12
イタリアで出産し、北海道からシリア、イタリア、ポルトガル、アメリカへ世界的引越し生活をしてたヤマザキマリの息子デルスさんはどんな感じだったのかを語るエッセイ。子供の頃から悟りを得た僧侶のような落ち着いたデルスさんだったけど、巻末の彼が書いた彼視点の話を読んだら、ちょっと作者の自己満足走っちゃってるんだなぁとしょっぱくなった。デルスさんが面白いキャラだから、彼がいつかエッセイを書いたら是非読んでみたい。2024/06/23