内容説明
この物語には、二人の「私」と、二つの「真実」がある。
結城真一郎氏絶賛!
読み始めて思った。「王道の辻堂作品だ」と。
読み終えて思った。「まんまと騙された」と。
昼と夜で、一つの身体を共有する茜と咲子。
しかし「昼」が終わりを告げたとき、予想だにしなかった「夜」の真相が明かされる――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
336
交通事故で寝たきりになった咲子と、同じく事故で両親を失った茜。相似た過去を持つ2人が出会ってファンタジックな展開かと思わせて、第2部では一転して予想外のドラマが待ち受けている。前提だったはずの話が唯一の真実ではなく、視点によって全く異なる意味を持つことが全体の伏線となっており、ノーマルなミステリではあり得ない微妙な人間関係の糸が解き明かされていく。やがて時間の錯誤と矛盾が解かれると状況はさらに三転し、生き残った者全員に救いが与えられるラストは深い余韻を残す。心地よい読書時間を約束してくれる、損はない1冊。2024/05/19
starbro
334
辻堂 ゆめは、新作中心に読んでいる作家です。本書は、解離性同一性障害ファンタジーミステリの群像劇、真相が明かされても、真実は藪の中のような気がしました。 https://www.chuko.co.jp/tanko/2024/04/005778.html2024/10/03
さてさて
276
『もし本当に、夜の間に茜の身体を使っているのが、咲子さんなのだとしたら ー と考える。どうして突然、そんな現象が起きたのだろう』。そんな思いの先に、咲子との関わり合いを深めていく主人公の茜。この作品では、そんな茜の身体に起こるまさかの真実と背景事情を描く結末が描かれていました。摩訶不思議な『オカルト』とも言える現象に心囚われるこの作品。隠された真実へと迫る緻密な描写に辻堂さんの巧みさを感じるこの作品。“この物語には、二人の「私」と、二つの「真実」がある”という内容紹介の絶妙さにも唸る素晴らしい作品でした。2026/07/20
hirokun
203
★4 夜の部と昼の部に分けて違った視点から見ることにより、人間の複雑さを表現しようとした作品。帯の表現に引っ張られて期待して読み始めたが、私にとっては期待ほどではなかった。推理小説としての面白さは、分かり易い文章と相俟って期待通りのものであったが、夜の部分に期待した人間の持つ複雑さ、醜さ、解りにくさについてはもう少し突っ込んだストーリーを期待していただけに残念。2024/05/24
いつでも母さん
199
ラスト一行『弾き方を知らないはずのGコードがリビングの片隅に響いた。』くぅ、この結びは切なくて温かで綺麗すぎて・・でもホッとする。装画のイメージでファンタジーかなと思いつつ読み始めた優しい昼のはなしは第一部。あらあら、第二部は反転の夜のはなし。こちらはエグさ全開でこれでもかと晒される。人は一面だけではない。自覚があるから厄介だ。単純な私はドンドン飲み込まれて、自分自身の闇とも対峙するのが苦しい。昼間の明るく温かな光だけの人生なんてない。暗くてけれど独りが安心する夜もあっての人生だ。辻堂ゆめにやられた感じ。2024/06/12




