冷蔵庫のように孤独に

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冷蔵庫のように孤独に

  • 著者名:村木美涼【著】
  • 価格 ¥2,090(本体¥1,900)
  • 特価 ¥1,045(本体¥950)
  • 早川書房(2024/04発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784152103246

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内容説明

14歳の時、ピアノを嫌っていた美咲が出逢ったのは、老齢の父と住むピアノの先生だった。彼女は、発想記号を理解する時は空き地に捨てられた冷蔵庫を思い浮かべればいいと不思議なことを言う。ピアノを好きになる美咲だが、先生には暗い過去があるようで……

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

rosetta

34
★★★✮☆今はリサイクル法とかあって冷蔵庫をその辺に捨てるなんてできないけど、子供の頃は空き地に捨てられた家電とか見かけた。言われてみれば確かに捨てられた冷蔵庫は賑やかな台所からポツンと放り出され孤独だ。子供が閉じ込められて自分では中から開けられず窒息死する、なんて都市伝説もあった。作者も年代近いから同じ話を聞いたのかな。銭湯を改装したギャラリー、粗大ゴミばかりを撮るカメラマン、照明の設計士、一年だけ習ったピアノの先生、忘れられない大切な思い出。二十年近い歳を隔てて先生との再会するラストシーンにほろり2024/06/04

よっち

34
看護師の美咲が偶然見かけた写真の中で被写体として映っていた緑色の冷蔵庫。それをきっかけにかつて遭遇した不思議な出来事を思い出してゆくミステリ。14歳の時、ピアノが嫌になっていた美咲を救った、老齢の父と住みピアノを教えてくれた由貴奈先生。彼女に美咲が教わった、発想記号を理解する時は空き地に捨てられた冷蔵庫を思い浮かべればいい、という不思議な言葉の意味。思わぬ形で再会した緑色の冷蔵庫の存在をきっかけに繋がった、当時は気付かなかった様々な出来事が明らかになってゆくストーリーは短いながらも鮮烈な印象を残しました。2024/05/28

tenori

29
空地に不法投棄された冷蔵庫を被写体とした等身大の写真パネルが空白の12年を埋める。小児病棟で看護師として勤務する美咲、照明コンサルタントの森本、粗大ゴミの撮影をライフワークとする写真家の中野。かつて美咲には敬愛するピアノ講師の由貴奈がいたのだが、ある出来事をきっかけに消息が途切れる。ギャラリーで見た写真から喚起された記憶と中野の証言から、冷蔵庫にまつわる由貴奈の悲しい過去が明らかになる。ミステリー作品としては少々パンチに欠けるところもあるが、それを補う温かさと優しさ、せつなさを与えてくれる作品。2025/01/07

さこぽん

24
「冷蔵庫が孤独??」タイトルに魅かれて読んだ初めての作家さん。不法投棄された冷蔵庫の写真が引き寄せる、ひととの繋がりと再会の話。色とりどりの花、ピアノの音色、穏やかな風の中で過ごした先生との時間は美咲にとって宝物だったんだろう。冷蔵庫の中が喜びなんて、そんな孤独に切なくなった。2024/05/15

ガットウ

22
★★★★4.3点。初読み作家さん。ミステリーというより、小説として不思議な魅力のある1冊でした。2024/06/09

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