「在日」の精神史3 アイデンティティの揺らぎ

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「在日」の精神史3 アイデンティティの揺らぎ

  • 著者名:尹健次
  • 価格 ¥2,970(本体¥2,700)
  • 岩波書店(2024/04発売)
  • ポイント 27pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784000280990

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内容説明

植民地時代,そして敗戦/解放後の70年を,在日朝鮮人はどのように生きてきたのか.「在日」の歴史・思想・生きざまを,聞き書きや自伝的叙述も交えて体系的に描き出す.第3冊は1970年代から現在にいたる,変わらぬ日本社会の差別構造と南北分断状況の中での「在日」の生をめぐる葛藤,若い世代を中心とした新しい生き方の模索,未来への道筋を展望する.

目次

「アイデンティティの揺らぎ」に寄せて
第1章 文学、そして家族の愛憎
1 在日朝鮮人の文学(三) 一九七〇─八〇年代
「在日朝鮮人文学」とは/李恢成の仕事/金石範、そして国籍論争/金時鐘と呉林俊/高史明、そして金鶴泳と竹田青嗣/詩人・姜舜、流麗の文学者・金泰生、そして梁石日
2 在日朝鮮人の日本人妻
「内鮮結婚」の歴史/「在日」の結婚と日本人妻/「早婚」の問題/日本人妻にまつわる話/見えない国境/角圭子と山崎朋子/総連組織の日本人妻忌避/日本人妻との人生
第2章 政治と人権
1 南北の体制競争と在日政治犯
「在日政治犯」の量産/徐勝・徐俊植兄弟事件/「政治犯」の様相/総連の対南工作/逡巡、葛藤の青春
2 在日商工人の明暗──本国との関わり方
民団系商工人/総連系商工人/合弁事業の失敗と総連批判/ある民団同胞の人生
第3章 「在日を生きる」とは
1 アイデンティティの揺らぎ、そして在日女性の表現者
転換期の一九八〇年代/「在日論」の諸相/「本名を名乗る」運動、そして反差別運動の展開/「帰化」の問題/在日知識人のありよう/若い世代の文学、「在日文学」ないし「〈在日〉文学」/在日女性の表現者
2 冷戦構造の終焉と「在日」
「従軍慰安婦」問題/「日本人拉致」問題と脱北者/金大中・盧武鉉政権と「在日」の運動/総連の凋落と民団/「政治犯」の再審/「在日」の運動の変化/在日知識人の落とし穴
むすびにかえて──「在日」の過去・現在・未来
現代史年表──日本・世界/在日/南北朝鮮
引用文献
人名リスト/事項リスト