「在日」の精神史2 三つの国家のはざまで

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「在日」の精神史2 三つの国家のはざまで

  • 著者名:尹健次
  • 価格 ¥2,860(本体¥2,600)
  • 岩波書店(2024/04発売)
  • ポイント 26pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784000280983

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内容説明

植民地時代,そして敗戦/解放後の70年を,「在日」はどのように生きてきたのか.二世として「在日」の歴史と戦後日本70年の歩みを自らの人生そのものに体現してきた著者が,一世たちへの聞き書きや自伝的叙述も交えて,「在日」の歴史と思想,生きざまの深部まで光を当てて描き出す体系的な精神史の試み.第2冊は1950年代半ばから70年代,南北朝鮮と日本の「三つの国家」と,総連・民団など諸組織のはざまで呻吟する「在日」の生の苦闘に迫る.

目次

「三つの国家のはざまで」に寄せて
第1章 路線転換と文学活動
1 民戦から朝鮮総連へ──路線転換の歩み
南日声明の波紋、そして路線転換/統一戦線の模索と統一同志会、統協/「祖国派」の形成と韓徳銖/ペク・スボン論文の衝撃/祖国派の勝利と総連の結成/路線転換の評価と「革命」幻想/朝鮮人党員の苦悶
2 在日朝鮮人の文学(二) 解放後、民族をめぐる葛藤
解放後、民族文学の出発と金達寿/詩人・許南麒と朝鮮総連と共和国/歴史認識と文学者、逸脱した張赫宙、そして立原正秋/金石範と金時鐘
第2章 帰国事業と四・一九革命、そして日韓条約
1 帰国事業と四・一九革命
帰国事業の 末/帰国の実相/差別と貧困の問題/民団と韓国政府/朝鮮総連と共和国、そして朝鮮大学校/四・一九革命と在日朝鮮人社会/一九五〇─六〇年代、「在日」の文化活動
2 朴正熙の軍事クーデターと日韓条約
朴正熙の軍事クーデター/趙鏞寿・『民族日報』/韓青同・韓学同・韓民自統・韓民自青/北の対南政策の変化/朴正熙政権の経済政策、そして「在日」/在日二世、アイデンティティの葛藤
第3章 民族をめぐる葛藤
1 総連・民団の対決、在日二世の葛藤
朝鮮総連とは/民団について/協定永住と国籍書き換え運動/韓国民主化運動と「在日」の運動/七・四共同声明、そして韓民統・韓統連/在日二世、「民族」の目覚め/南北パワー・バランスの逆転、そして「金炳植事件」
2 「三つの国家」のはざまでの苦闘──作家・金達寿の場合
金達寿をどう見るのか/『日本のなかの朝鮮文化』の刊行/乗り越えられない「在日の壁」/転機としての韓国訪問