内容説明
「歌舞伎町に住んでいる理由? 消えた同級生を探したいので」人気エッセイストとなった林あや美には、痛い思い出がある。もう十二年も前、一緒に夜遊びしていた歌舞伎町で、女子高生の友達が突然消え失せたのだった。そんなあや美の前に、一人また一人現れる奇怪な男女。血塗れの首の女、連続殺人鬼に酷似したストーカー……それが恐怖の始まり、地獄の一丁目だった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tsuyoshi
62
人気美人エッセイストである林あさ美。前半は根城にする歌舞伎町での生活ぶりと彼女が書く斬り口鋭いエッセイが交互に描かれていて読みやすかったが、後半からは妄想と現実が入り交じってあやふやな感じになってしまったのが残念。しかし全編通して現実世界で生きる人間の嫉妬や恨み、理想への固執や復讐心などドロドロとした部分は伝わってきた。2018/05/19
H!deking
53
一言でいうと、人気美人エッセイスト、林あさ美が巻き込まれる事件の顛末、ってところかな。エッセイを軸に進んでいく文体は面白かった。途中から真梨幸子風なイヤミスです。タワーマンションと女性編集者ってとこだけだけどw幽霊より生きてる人間のが怖いってのはわかるね。1482017/12/15
ちょん
18
ご本人の話なのか?と思ってしまうような雰囲気のお話。エッセイ風に書かれてるところと小説の中の現実世界として書かれている場所の描写が絶妙で、何度も現実とごっちゃになりました✨切なく面白く読了。ちょっと怖かった。2022/04/17
からっぽな蛙《真梨江》
12
もうこっち系は充分だと思うんだけど…。解説では好意的に“小説を発想するかが窺える副読本”とあるけど、ここまで続くとネタの使い回しにしか思えない。自伝的要素を入れることで真実と虚構を曖昧にする最近の手法は面白いんだけど、読後感はよろしくない。本書に関しては、林あや美が29歳って無理あるだろ!の一言。時代設定の明記はないけど作中作の文体に違和感が凄くて内容が入ってこなかった。絶妙なおばちゃん感がまんま志麻子さん。もう少し実年齢近くに設定したほうがよかったよ。改題もしないほうが雰囲気にあってたのにな。2013/06/24
ヒロ姐
11
途中から期待してた方向とズレが生じて何が何だか(夢なのか現実なのか)理解できなくなりながら読了。ん〜・・・さすが「岩井志麻子」2016/09/19