内容説明
高機能生成AIの登場により、AIをめぐる著作権制度の在り方には、かつてないほど大きな注目が集まっている。権利者側からは法規制の見直しが叫ばれ、政府も各種対応に追われるなど、一種の社会的な混乱が生じているなかで、どこまでコンセンサスが得られ、どこから先に議論の余地があるのか、珠玉の論攷と座談会を通じて徹底分析。
目次
Part I 序論
第1章 「AIと著作権」の過去・現在・未来[上野達弘]
1 AIとは
2 AIと著作権をめぐる諸論点
3 展望──生成AIブーム?
Part II AIによる学習の侵害成否
第2章 日本法における権利制限──著作権法30条の4を中心に[愛知靖之]
1 はじめに
2 30条の4と旧47条の7との比較
3 享受目的を併有する情報解析?
4 30条の4柱書但書
5 おわりに
第3章 諸外国における情報解析規定と日本法[上野達弘]
1 英 国
2 欧州指令
3 スイス
4 シンガポール
5 検討
第4章 アメリカにおけるフェア・ユース該当性[奥邨弘司]
1 機械学習とフェア・ユース
2 フェア・ユースの概要
3 変容力のある利用
4 機械学習のフェア・ユース該当性の検討
5 関連する訴訟の概要と現状
6 補足
Part III AIによる生成の侵害成否
第5章 依拠・類似[奧邨弘司]
1 依拠が問題となる状況
2 依拠に関する従来の議論
3 依拠に関する検討
4 類似について
第6章 行為主体と準拠法[横山久芳]
1 はじめに
2 行為主体
3 準拠法
Part IV AI生成物の著作権保護
第7章 AI生成物の著作物性[前田健]
1 はじめに
2 著作物性の判断基準
3 AI生成物が著作物と認められる場合
4 AI生成物の著作者
5 立法論──AI生成物保護の将来
6 おわりに
第8章 イギリスの著作権法におけるコンピュータ生成物の保護[今村哲也]
1 はじめに
2 創作者主義の原則に対する特殊な状況
3 コンピュータ生成著作物の保護内容
4 Nova Productions Ltd v Mazooma Games Ltd事件
5 学説の状況
6 知的財産庁のコンサルテーション(2021年)
7 類似の制度を有する法域
8 おわりに
Part V 座談会 参加者(※五十音順)[今村哲也・上野達弘・愛知靖之・奥邨弘司・谷川和幸・前田健・横山久芳]
I AIによる学習の侵害成否
30条の4第2号にいう「情報解析」と非享受利用
30条の4柱書但書
ライセンスビジネスを展開している場合
47条の5の適用可能性
情報解析を禁じる契約の有効性
30条の4改正の余地,立法論など
II AIによる生成の侵害成否
依拠性
類似性
レコードの情報解析
行為主体
適用地・行為地
III AI生成物の著作権保護
解釈論
立法論
事項索引
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