内容説明
「主文 被告人を懲役10年に処する」――その根拠を考えてみたことはあるだろうか? 犯罪とは何か、なぜ刑が科されるのか。制裁としての刑罰はどうあるべきか。「刑法学」の考え方を丁寧に解説する。 【目次】第1章 刑法学の世界/第2章 犯罪論の世界/第3章 処遇論の世界/第4章 量刑論の世界/第5章 刑法学の新しい世界/あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
けぴ
44
現在は「罪刑法定主義」であり「犯罪と刑罰は行為の前にあらかじめ法律によって定められていなければならない」という原則に基づいている。端的には「法律なければ犯罪なし、法律なければ刑罰なし」。近代以前は「罪刑専断主義」であり、犯罪と刑罰が時の権力者によって恣意的に決定されていた。日本は欧米諸国と比較すると刑罰の軽重に幅が大きい方であるとのこと。昨今の犯罪は、この法律を掻い潜るような物が多く、真の悪人を取り締まるのには不十分な点もあると感じた。著者の早稲田大学での最終講義をもとにして書かれた一冊でなかなかの好著。2024/11/04
よっち
34
犯罪とは何か、なぜ刑が科されるのか。制裁としての刑罰はどうあるべきか。刑罰の根拠を考えながら刑法学の考え方を解説する1冊。なぜルールが存在するのか、刑法によって何が守られているのか。刑罰には法定刑、処断刑、宣告刑という3つの段階があって、犯罪の成立や要件、未完成の時、複数のものが関与する時、正当防衛や緊急避難、被害者の同意、責任能力といった諸要素によって刑をどのように課すのかが決まるわけですが、それに被告人側や被害者の事情を踏まえた量刑があって、何のための刑罰なのかという部分はいろいろ考えさせられました。2024/05/07
ま
27
時間がなく拾い読みになってしまったが良書。拘禁刑の創設(=懲役刑と禁錮刑の区別がなくなる)によって刑の内容が問い直されている。すなわち、従来の懲役刑における「拘置」「作業」「指導」のうち後2者は刑なのか処遇なのか。2024/12/10
大先生
14
これをちくまプリマーで出しますか。刑法入門+修復的司法論の導入部分という内容です。ある程度刑法を学んだことがある人じゃないと読みこなせないと思います。まあ、私にとってはなかなか面白い内容でしたが(笑)量刑論はなかなか難しいものです。司法試験合格者も分かりません。私も検察修習のとき、量刑について意見を述べたら、検事に「市民感覚に近い貴重な意見(笑)」と笑われました。例えば反省してるから軽くしてもいいのではないか?というのは素人。勿論考慮はするのですが、一般情状で量刑を大きく変えるわけにはいかないわけです。2026/02/18
奏市
14
タイトルにはややそぐわないような刑法学全般の内容。(量刑の話は一部)大学時代を懐かしく思い返しつつ読んだ。国家による加害者への制裁の意味合いから、被害者・コミュニティの害の回復を重要視する新しい志向は今後どうなっていくのか見ていきたい。常々の疑問点→「被害者(遺族)の感情は、少なくとも一般情状として考慮されることになるでしょう。もっとも、被害者(遺族)の被害感情・処罰感情を量刑上の一資料とする場合、これらの感情の有無や強弱、被害者が死亡した場合の遺族の有無によって刑が異なっていいのかが問題になるでしょう」2024/07/17
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