内容説明
無宿者と寂れた旅籠。奮闘の再出立物語!
やくざ者の下働きをして暮らす無宿者の直次は、ある日、賭場検めに現れた捕り方を誤って傷つけてしまう。もう、江戸にすら居場所はない……自らも重傷を負い朦朧としながら逃げてきた中仙道で、直次は追剥に襲われていた娘の危機を救う。
気を失った直次が目覚めると、そこは助けた娘・お路の両親が営む板橋宿の旅籠松丸屋だった。主人のお人好しが災いし、借金も抱える今にも潰れそうな松丸屋だが、その上、近頃は徒党を組んだ追剥が出没し、板橋宿全体が寂れ始めていると言う。
怪我の完治までせいぜい利用してやろうと決めた直次だが、穿鑿もせず受け入れてくれる松丸屋の居心地を、悪くないと感じ始める。提灯屋の若旦那・定之助をはじめ、余所者の直次を警戒する者も多いが、その働きぶりに少しずつ直次を認める住人も出て来た。
そんな折、いよいよ追剥被害が頻発。なぜ、板橋宿近辺ばかりが狙われるのか。直次は「最後の恩返し」として、道中奉行の命を受けた江戸四宿見廻り役・恩間満之助と共に解決に乗り出す。
全てを失った無宿者が旅籠を盛り立て、帰る場所を作ってゆく、奮闘の再生物語。
(解説・理流)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タイ子
75
タイトル通りの旅籠物語。最初からめおと物ではなく、1人のヤクザ者・直次が賭博場の検めで捕り方に重傷を負わせ、自らもケガをして逃亡。途中で旅籠「松丸屋」の娘を助けた事から、旅籠の世話になる事に。あまり繁盛していない旅籠に世話になりつつ、街道に追いはぎの出没という物騒な出来事の原因を確かめながら街道筋の事情を知って行く。直次の過去を探るヤツもいれば、知りながら共に探索を続ける見廻り役。「めおと旅籠~」とはいかに?!という疑問もあり、これから始まるシリーズにてまだ序の口なので今後の展開に期待しましょうか。2024/04/15
ひさか
25
2024年4月小学館時代小説文庫刊。書き下ろし。シリーズ1作目。無宿者の直次が板橋宿の旅籠のために尽力する様子が楽しい 。江戸四宿見廻り役の恩間は直次をどうするつもりなのかが気になるが、次巻のお楽しみか。タイトルがネタバレになっているところに愛嬌がある。2024/05/07
鈴木正大
3
著者の文庫書下ろし新シリーズが始まった。入り婿侍シリーズやおれは一万石シリーズ等著者の時代小説のシリーズは多くあるがずっと読み続けるシリーズと途中で飽きてしまい止めてしまうシリーズもある。 本シリーズの舞台は中仙道の板橋宿。無宿者の直次が旅籠に転がり込んで腰を落ち着けて生活を始める。第一巻は取り合えず面白かった。次巻以降面白さが続くのか未だ解からないが楽しみに待とう。2024/04/07
onbo45
2
今作は、旅籠に留まるまでのお話しでしたので続編が出るのが楽しみですね。2024/04/05
せんじつ
1
黒幕は捕まってないし敵役も改心してないし、もやもやする。2024/09/20
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