仕事と人間 (下) 70万年のグローバル労働史

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仕事と人間 (下) 70万年のグローバル労働史

  • ISBN:9784140819609

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内容説明

これからの働き方を創造する!

ヨーロッパ中心の労働史観に風穴を開ける、人類始まって以来の労働の世界史。
私たちにとって仕事とは何か、仕事に見出す人生の意味、協力する喜び、そして公平性への希求は、狩猟採集時代から私たちのDNAに組み込まれている。
下巻では世界各地で発達したそれぞれの「仕事のあり方」が、経済のグローバル化の発展と共に収斂していく流れを現代まで追うとともに、これからの働き方を考える。

【内容】
第5部 労働関係のグローバル化~西暦1500年から1800年まで
 第18章~第19章
第6部 労働関係の収斂~西暦1800年以降
 第20章~第24章
第7部 変わりゆく仕事の意義~現代
 第25章~第27章
終章 今後の展望

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あきあかね

16
 本書は時間の面でも、空間の面でも、類書に比べて極めて広範である。 時間の面では、70万年もの遥かな人間の労働の歴史を射程に入れる。その歴史の98%の期間は狩猟採集であり、約1万年前になってようやく農耕が中心となり、近年の工業社会や情報社会における労働はほんの新参者に過ぎないことが分かる。 また、空間の面では、従来の欧米の白人男性中心の労働史ではなく、世界全体を見据えたグローバルな広がりを持っており、南米やアフリカにおける過酷な奴隷労働なども詳しく記述される。⇒2024/05/26

Mc6ρ助

14
『新自由主義時代の福祉支出増大のパラドックス(p316)』仕事って本当にいろんなことに絡んでることはよく分かったけれど、老後2000万円問題がいつのまにやら5000万円に化けてる今日このごろ、生活保護で財政がパンクする前にみんな切り捨てようとするのだろうか。今の政権党がそれに躊躇するとも思えないのは怖く、それはこの本にはまったく係わりのない話だけど、働けど働けど楽にならざり、じっと手を見る、が自己責任ではないことはしっかりとこの本に書いてある。新自由主義な輩には読み取れないかも知れないけれど。2025/02/27

佐藤一臣

7
終章で、未来の仕事に関する筆者の意見が出ていました。私の勝手な解釈ですが、筆者は今後もブルシットジョブが増えると言ってると思います。穴を掘って埋めるような無意味な仕事であっても、そこに協力があれば、人は嬉々としてその仕事を行う。仕事は、自分一人で行うものではなく協力体制が前提。その協力幻想を多くの人が信じる限り、仕事はなくならないと。ただ仕事に賃金が伴うかどうか。富裕層はお金の使い道に苦労し始めており、お金を払ってこれ以上のモノやサービスの提供を受けることはなくなっているよう。この流れが今後を占うだろう2024/12/19

yes5&3

0
ハンナアレントにつながる積読本からこの本に着手。数十万年の時と地球上のあらゆる地域の文明から労働の歴史を紡ぐ長い旅の最終章でハンナアレント「仕事には自尊心と他人からの尊敬があってこれは余暇にはない」に出逢って嬉しくなる。資本主義の終焉や社会的不平等という悲観論が世の中の主流ではあるが、著者は結びで膨大な労働史からみた将来について(条件付きで)展望に持っていこうという姿勢を感じた。2024/11/02

izumone

0
上下巻に渡って70万年の全世界における「仕事」を俯瞰して,「明らかになったこと」として終章の最後にまとめられたのが仕事の三要素,「意義」「協力」「公正」。とても印象的。特に「協力」は「人間の基本的欲求」としている。700ページ以上の旅路を経ての言葉だけに胸に染みた。 2024/10/18

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