角川書店単行本<br> テミスの不確かな法廷

個数:1
紙書籍版価格
¥1,925
  • 電子書籍
  • Reader

角川書店単行本
テミスの不確かな法廷

  • 著者名:直島翔【著者】
  • 価格 ¥1,925(本体¥1,750)
  • KADOKAWA(2024/03発売)
  • ポイント 17pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784041147931

ファイル: /

内容説明

任官七年目の裁判官、安堂清春は、東京からY地裁に赴任して半年。発達障害という特性を抱えながら、日々事件に向き合っていた。
ある日、安堂が担当したのは地元暴力団の準構成員、江沢による詐欺未遂と傷害事件の裁判。江沢はタクシーにわざとぶつかって金をだまし取ろうとし、タクシーに乗っていた市長候補の男性に殴りかかり、けがを負わせた罪で起訴されていた。だが、江沢は罪状認否で起訴内容を否認。安堂も弁護人を解任するなど、初公判は大混乱となる。その日の夜、安堂の元に、執行官の津村がやってくる。「市長の事件には裏がある。政治がらみですよ」との意味深な言葉を残していくが……。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いつでも母さん

155
10歳の時に発達障害(ADS・ADHD)と診断されるも、信頼できる医師に支えられ自らの生きづらさを自覚し、特性と共存しながら7年目の裁判官・安堂が格闘する日々。発達障害と一言で括るもそれは様々で、ここまでの年月を思うと頑張ったんだろうなぁと、いや、頑張ってるんだなぁと肩入れして読んだ。連作3話。安堂の周りのキャラも好くて、これは是非ともシリーズ化して欲しい。その後が色々気になってしまう。特に弁護士・小野崎との行方だ。 2024/04/16

ちょろこ

138
なかなか良かった一冊。読み進めるほどに良さを感じた法廷ミステリ。そわそわ、むずむずと日々対峙する裁判官の安堂は、いわゆる発達障害。その彼の持つ"特性"に重点を置いて、そこを活かして真相へと描いているのが良かった。殺人や詐欺未遂等、事件に向き合いながら自分の脳とも向き合う苦しみには時にせつなさも感じるほど。定着発達者とちがう、そう彼の心をサポートする医師の存在の大きさも良かった。日々、自分と闘い努力する彼の姿は裁判官として以上に一人の青年として応援したくなる。ラストは深呼吸したくなるほど清々しさでいっぱい。2024/05/16

タイ子

127
これまで読んだ法廷関係の作品とは少し違ってある意味新鮮。と、いうのは主人公の裁判官・安堂清春は幼い頃、発達障害と診断を受け自分の心の内と日々闘いながら法廷に座る任官7年目の裁判官だから。自分の特性が十分判っているだけに、それらに注意し困った時には幼少期からお世話になっている専門医に相談しながら自分と向き合う日々。彼ならではの特性で事件の真相が見えてくるのも面白い。社会との交わり、他人とのふれあい、一番やっかいな自分との格闘。安堂のこれからの成長を見守りたい。ミステリと人間味を十分に味わえる作品。2024/05/14

machi☺︎︎゛

87
発達障がいのある裁判官の安堂。自分で障がいのことは理解して上手く付き合いながら一般社会に溶け込んでいる。だけどどうしても譲れないこだわりや習慣もあり生きづらさも感じている。本人だけではどうしようもない事もあるから周りの人達の理解がどれほど大切かと思った。うちの子も発達障がいがあるから小説だと割り切れずに色々考えながら読んだ。2025/01/23

ゆみねこ

80
10歳の時ASDとADHDと診断され、良き専門医との出会いで自身の特性と向き合いながら生きてきた裁判官・安堂清春。任官7年目の彼が様々な事件や人との出会いを通じ成長してゆく物語。彼の特性があればこそ解決に至った事案もあれば、宋春美の事件は少しモヤモヤした結末に。弁護士・小野崎とのこれからも気になるので、続編を期待したい。2024/05/31

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/21826388
  • ご注意事項

最近チェックした商品