ぼくの心は炎に焼かれる 植民地のふたりの少年

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ぼくの心は炎に焼かれる 植民地のふたりの少年

  • 著者名:ビヴァリー・ナイドゥー【著】/野沢佳織【訳】
  • 価格 ¥1,870(本体¥1,700)
  • 徳間書店(2024/03発売)
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  • ポイント 510pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784198657963

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内容説明

1951年のケニア。11歳の白人少年マシューが寄宿学校から自宅の農場へ戻ってくると、家のまわりの柵が以前の2倍の高さになっていた。このところ、白人に〈マウマウ〉と呼ばれる、白人移住者から土地を奪還しようとするキクユ族の武装集団が活動を激化させ、白人の経営する農場に侵入して破壊行為をしたり、農場で働くキクユ族に宣誓を強いて〈マウマウ〉に加入させたりしていたせいだ。
兄弟同様に育った黒人ムゴは、台所で下働きをしている。ムゴは、マシューに頼みこまれて嘘をついて、結果自分が叱られるという目に合うことも。そんなふたりが住む地域にも、マウマウが訪れ、ひそかに黒人たちを支配下におさめ始める…。

同じころ、寄宿学校に転入してきた父親が警察官のランスは、キクユ族は全員がマウマウで信用ならないとマシューに吹き込む。

マシューとムゴの視点で交互に物語は描かれていく。
アフリカの歴史の一場面を知るためにも、また、人はどこまで人を信じられるのか、個人的な信頼関係が社会の大きなうねりの中でいかに損なわれるか、といった普遍的な問題を考えるきっかけとしても価値のある作品。
著者は、南アフリカで育ったカーネギー賞受賞作家。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ますみ

7
★3.5★2025/04/03

みさと

5
ケニアがまだイギリスの植民地だった頃、1950年代初めの物語。独立を求める「マウマウ」と呼ばれるキクユ人の秘密結社が活動を活発化させていた。白人農場主の子マシューが寄宿学校から帰省すると、家の周りのフェンスが以前よりも高くなっていた。白人から土地を取り返そうとする「マウマウ」に襲われる農場が増えているからだという。マシューは兄のように慕う、台所で下働きをしているキクユ人のムゴと一緒に遊んでいるが、二人の間には次第に溝ができ始める。ついに二人は引き離され、心の底には怒りの炎が。ハッピーエンドではない物語。2025/01/27

Mipo

5
イギリス植民地時代のケニアが舞台。白人のマシューとキクユ人のムゴは、幼い頃から兄弟のような仲だったが、入植者側のマシューと、その邸宅で台所の下働きをするムゴとの友情には上下関係が見え隠れする。子どもが結ぶ〈約束〉の計り知れない重みや、「大人になったらわかる」という言葉に抵抗したい気持ちや、謝れる勇気といった部分が印象に残る。この物語で理不尽なことが起きているけれど、その空気を共有できてよかったと思う。ケニアは1963年に独立したが、埋もれていた真実が語られ出したのは2006年からというから、随分長い。2024/05/23

ダージリン

5
イギリス植民地時代のケニア。白人から土地を取り戻そうとするマウマウと呼ばれるキクユ人の集団が、白人の農場を襲い始めていた1950年代を舞台とする物語。白人の農場主の息子と、雇われているキクユ人の少年二人の視点から描き出される何とも辛く切ないストーリー。アフリカのことについては全く知識もなく詳しくないが、つらい歴史があったことが伺われる。心が揺さぶられた。2024/04/25

HISA

1
☆☆☆2000年に「真実の裏側」という作品でカーネギー賞を取った著者らしいが、知らなかった。1950年代のはじめ、イギリスからの独立を求める運動が起こっていたころの話。搾取する側とされる側、同じ年頃の少年なのに環境が違いすぎて悲しい。ラストも重いものだったけど、賢いムゴなら明るい未来を送ったはず。2024/10/31

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