内容説明
人間に嫌気が差していた俺も、不知火高校で人外の少女たちとともに2年間教師生活を送ることで、徐々に人間という存在、他者との関わりというものへの忌避感が和らいでいた。
そんな、俺の気持ちが変化を見せていた新年度の春。上級クラスにはナルシスト気味のエルフ・若葉葵、鬼の末裔であるぽやぽやギャル・小此鬼マキが進級。そして――俺のトラウマの原因、かつての教え子である春名未来が新任教師としてやってきた。
予期せぬ再会に、なかなか心の整理が付かない俺。いったい春名は何故教師になって、どうしてこの学校に……?
これは、異世界ファンタジーでも、人生やり直し転生でもない――人間を目指す人外女子たちと送る、ただの教師が“人生を歩み直す日々”の物語。【電子限定!書き下ろし特典つき】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takka@ゲーム×読書
11
ずっと読み続けているVtuberが描かれている小説第3弾!今回は前作まであった三題噺の手法は使われていなかったが、主人公のヒトマが教師を辞め引きこもりになったトラウマである春名未来が新任教師としてやってくる。いつもどおり人間を目指す人外女子を応援していることも描かれるが、今作はヒトマ自身が立ち直り歩き出そうとする姿が描かれている。この作品をずっと読んでいるのはそのヒトマや生徒たちがいわゆる「普通の人生」を送っていないことを精神疾患で社会生活から脱落した自分に重ねて読んでいるからだと思った。2024/03/29
白いハエ
0
温かな世界。人間社会に出ることを目的とした人外たちの集う学校、というコンセプトではあるが、ニンゲン礼賛というよりは、どうとでも傾く人間という自然のうちに、どう立つか、という側面にスポットがあたっているのだと今更思った。この巻では「立ち直り」が焦点にあり、そのプロセスの中で「人間嫌い」に一区切りがつくように読んだ。2024/06/12