内容説明
愚かな勇者様は、あろうことか優秀極まりない回復師をパーティから追放してしまいました…。残ったメンバーは横柄で生意気、世間知らずなクズ勇者様。そしてたった1種類の火魔法しか使えぬ、死んだ目をした魔法使いの私だけ。回復師がいなくなったパーティには当然、さまざまな災難が降りかかります。道端のなんでもないゴブリンに屠られ死んでしまい、試しに回復丸薬を作れば、素材を間違え毒薬で死亡のデスループ…。 それでも私達は魔王討伐を達成するのです。各々の思いを胸に! …あ、また勇者様が死んでる。毎日がザマァ、毎日がパーティ全滅。愚か者勇者(補欠)と無気力魔法使い(?)の、伝説にならない残念な旅路をご覧ください!/第4回集英社WEB小説大賞奨励賞
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
オセロ
37
面白かったですね。最初から中盤にかけては自分勝手で世間知らずのクズ勇者にイラつくこともありましたが、魔法使いとの会話のテンポが良く、モンスターに殺されてはばかりの所為で真の勇者が現れ、クズ勇者が勇者(補欠)に降格する展開は面白すぎる。それにも関わらず魔法使いは何故クズ勇者に付いていくのか、それが分かるラストは痺れました…2024/03/25
よっち
29
優秀極まりない回復師をパーティから追放した愚か者の勇者。回復師がいなくなったパーティには当然様々な災難が降りかかる伝説にならない残念ファンタジー。回復士を追放し、残されたのはたった1種類の火魔法しか使えぬ魔法使いと、横柄で世間知らずな勇者。迂闊な行動で死のデスループを繰り返し、挙句の果てに本物の勇者まで周囲に現れて、なぜ魔法使いは補欠勇者に愛想を尽かさないのかと思わずにはいられない展開でしたが、二人を助けるペットのイッヌや非常食扱いのぶーちゃんの存在、魔法使いが勇者と一緒にいる理由がなかなか効いてました。2024/03/25
わたー
23
★★★★☆面白かった。パーティーに「食」と「住」を提供してくれていた超有能な回復士を突然追放した愚かな勇者(補欠)と、クール系ポンコツ魔法使いちゃんによる死にまくり残念ファンタジー。基本的に悲惨な目に遭い続けるのだけれども、それでもめげずに前に進み続ける姿は好ましかった。また、勇者の実家の太さと、ペットと非常食の活躍によって、死に続けているのになんとか冒険のテイを成しているところは良かった。いや是非、彼女らには、「がんがんいこうぜ」から「いのちだいじに」に作戦を変更して貰いたいところではあるが。2024/03/27
真白優樹
14
多くの人間と一部の魔物が神から与えられた才能を持つ世界で、おバカな勇者がパーティーの要であった回復師を追放してしまい始まる物語。―――勇者、すぐ死ぬ。 けれど諦めぬ。 死に方の万国博覧会かと言わんばかりに様々な方法で死に、しかし愚直なまでの真っ直ぐさと真面目さで、不思議と憎めぬ勇者道を突き進む勇者に振り回される物語であり、奥に重いものが秘められている中、上を覆う軽めの読み心地が面白い物語である。魔法使いが秘めた目的、それはこの勇者でしか為せぬ。果たして二人は魔王を倒せるのか。 次巻も勿論楽しみである。2024/04/04
leo18
12
流行ってるらしいパーティ追放もの。蘇生が可能なRPGの世界観ですぐ死ぬ勇者とともに旅をする魔法使いとマスコットたち。序盤は微妙かなと思ったが、いろんな繋がりや狙いが見えてきて尻上がりに面白くなった印象。いつもながら読み心地が良い文章で続編に期待したい。2024/03/30