文春新書<br> テクノ・リバタリアン 世界を変える唯一の思想

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文春新書
テクノ・リバタリアン 世界を変える唯一の思想

  • 著者名:橘玲【著】
  • 価格 ¥950(本体¥864)
  • 文藝春秋(2024/03発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784166614462

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内容説明

シリコンバレーの天才たちが希求する「1%のマイノリティだけの世界」
そこは楽園か、ディストピアか?

アメリカのIT企業家の資産総額は上位10数名だけで1兆ドルを超え、日本のGDPの25%にも達する。いまや国家に匹敵する莫大な富と強力なテクノロジーを独占する彼らは、「究極の自由」が約束された社会――既存の国家も民主主義も超越した、数学的に正しい統治――の実現を待ち望んでいる。
いわば「ハイテク自由至上主義」と呼べる哲学を信奉する彼らによって、今後の世界がどう変わりうるのか?

ハイテク分野で活躍する天才には、極端にシステム化された知能をもつ「ハイパー・システマイザー」が多い。彼らはきわめて高い数学的・論理的能力に恵まれているが、認知的共感力に乏しい。それゆえ、幼少時代に周囲になじめず、世界を敵対的なものだと捉えるようになってしまう。イノベーションで驚異的な能力を発揮する一方、他者への痛みを理解しない。テスラのイーロン・マスク、ペイパルの創業者のピーター・ティールなどはその代表格といえる。
社会とのアイデンティティ融合ができない彼らは、「テクノ・リバタリアニズム」を信奉するようになる。自由原理主義(リバタリアニズム)を、シリコンバレーで勃興するハイテクによって実現しようという思想である。

「この惑星上の約40~50億の人間は、去るべき運命にあります。暗号法は、残りの1%のための安全な世界を作り出そうとしているんです」(ティモシー・メイ)
――とてつもない富を獲得した、とてつもなく賢い人々は、いったいこの世界をどう変えようとしているのか? 衝撃の未来像が本書で明かされる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

196
金持ちがカネの力で政治を買うとは小説や漫画でよくある設定だが、マスクやティール、アルトマンら高い数学的能力で巨万の富を摑んだIT長者は政治を作ろうとする。もっともっと自由に活動できる世を求めるが、自由を優先し過ぎると大多数の庶民が安全や生活が脅かされると反発すると理解しているため、技術による利便性とベーシックインカムを飴として、自分たちが最大限の自由を享受できる社会を目指すのだ。有能な者だけが繫栄できる技術主導の完全自由主義テクノ・リバタリアリズムは、資本主義や社会主義を凌ぐ第三の政治思想となり得るのか。2024/11/04

榊原 香織

118
面白かった。 It長者たちの極端思想。もう第2世代なのですね。 ワイルのCOSTによるラディカル・マーケットというのが興味深い。2025/02/19

KAZOO

109
橘さんの最新作で今世界を牛耳っているのはここに書かれた概念の人々であるということを説明されています。非常にわかりやすいのは「正義をめぐる4つの立場」ということで図解をしてくれています。またそれを政治思想の道徳基盤ということでどのような考え方で位置するところはどこなのかがわかるようになっています。このような人物の代表として、イ―ロン・マスクやピーター・ティールがどのような人物で若いころにどのような経験をしたかが説明されています。相変わらず参考文献が多用されています。2024/04/21

Kanonlicht

87
イーロン・マスクがツイッターを買収し何をしようとしているのか。暗号通貨はどんな目的でつくられ、今後どうなっていくのか。これを読めば、ごく一部の数学的思考や統計学に特化した知能を持つギフテッドたちが考える人類の未来ついて知ることができる。民主主義や資本主義を見限った彼らは、真の自由を求め、「死」の超越を目指し、来るべきシンギュラリティに備えている。人格のデジタル移行や頭部の冷凍保存なんてSFのようなことが実際に行われていることに驚き、この加速する文明の将来に本当に人類の幸福があるのか、期待より恐怖を感じた。2024/04/24

もんらっしぇ

63
【ちょっと再読】まさかこんなに早く破局が訪れるとは!我が読友のtoscaさん、見事に予言が的中しましたね! ヤフーニュース https://news.yahoo.co.jp/pickup/6541601 CNN https://www.cnn.co.jp/usa/35233985.html ブルームバーグ https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-06-08/SXI9TWDWRGG0002025/06/09

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