羅刹国通信

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羅刹国通信

  • 著者名:津原泰水【著】
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 東京創元社(2024/04発売)
  • 盛夏を彩る!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~7/28)
  • ポイント 540pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784488029012

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内容説明

叔父を殺したことは固く秘しておくべきだった。自殺するなんてと母が泣き続けるものだから、本当はわたしが崖から突き落としたのだとわかれば、すこしは気が楽になるかと思ったのだ。震災で妻を失いPTSDに苦しむ叔父との同居に疲弊する家族のために、小学六年生の左右田理恵(そうだりえ)は叔父を殺した。その四年後、理恵は奇妙な夢を見るようになる。荒れ果てた灼熱の地で岩蔭と食糧を求める「鬼」の集団。かれらは二つの勢力に分かたれ争い殺し合う――その法則を理恵に教えたのは、同じ夢を共有する一人の少年だった。鬼才の幻視文学の頂点となる幻の傑作、初単行本化。/【目次】羅刹国通信/続羅刹国報/続々羅刹国――雨の章――/続々羅刹国――夜の章――/解説=春日武彦/津原国通信=北原尚彦

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

rosetta

29
★★★‪☆‪☆不条理小説?幼い頃崖から叔父の背中を押して殺してしまった女子高生が自分の額に角が生えていると信じ、毎夜羅刹の国の夢を見る。2000年から2001年にかけて発表され、どうやら未完成。そんな小説が20年以上も経って今更出版されるのも大人の事情(笑)。解説によると作者にはボスニア内戦を告発するの意図もあったらしい。いずれにせよ読んでいて楽しかったかと聞かれると素直には頷けない本であった2024/06/11

hanchyan@住みなすものはこころなりけり

29
5月の半ばに開いた本書。ようやく読み終わりました。過去の自らの振る舞いに『負い目』を自覚してるJkを主人公に据えた一人称の小説。読んでるとなんとなく、彼女の語りのベクトルは、ただ一人彼女自身に向かってるように思えてきて、置き去り感、というよりはむりろ(ひとつの作品に際しての)「仲間外れ感」が身に沁みる。キャラ立ちが売りのエンタメ群像劇とは、そのベクトルは真逆だ。「ひとつの個性に徹底的に寄り添うことが、受け手の存在に優先する小説」ていう意味では、町田康さんの「告白」に近いかもしれない(※当社比です)↓2024/06/03

ガットウ

17
★★★★4.0点。津原泰水さんが22年に亡くなっていた事さえ知らなかった。ジャンルは幻想小説何だろうけど、文章も読みやすく楽しく読了!2024/06/04

maimai

14
素晴らしかった。は泰水節全開の初期の「泰水」。冒頭の6行を読んで読むのをやめられる小説読みがいたら、お目にかかりたい。無粋と知りつつ引用すれば、「この四年間、喧嘩のたびに母がわたしを鬼といって罵るので、わたしのほうもすっかりそういう気分だ。/叔父を殺したことは固く秘しておくべきだったと今は思うが、小学六年のわたしにはその判断がつきかねた。自殺なんて自殺するなんてと母が、彼にとってきた態度を悔やんで泣き続けるものだから、本当はわたしが後ろから突き落としたのだとわかれば、すこしは気が楽になるかと思ったのだ。」2024/05/05

本の蟲

12
読者に考察させるラストの小説もあるが、作者が亡くなった時期から鑑みるにおそらく未完。しかし連作形式の各短編は綺麗に締められているし、それぞれ素晴らしかった。小学六年の左右田理恵は、疲弊する家族のために叔父を殺した。4年後、罪の意識を抱えつつ成長した理恵を「人殺しの鬼」と指摘する同年代の少年が現れる。同時期に額からは自分にしか見えない角が生え、奇妙な夢を見始める。2つの勢力に分かれた鬼たちが殺し合う羅刹の国の夢。妄想か狂気か。精神科の診察で話す夢と現実の符合。時折見かける角の生えた人間。これぞ幻想文学の極北2024/05/28

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