内容説明
いつでも訪れることができる、不思議にひろい場所。ときどき深呼吸をしたくなる原っぱ。かたくなな心に手をさしのべてくれ、暮らしの中で鏡のように光るもの。――詩は自分にとって実用のことばという著者が、みずみずしい感性で五三人の詩篇を選び、エッセイを添える。読者ひとりひとりに手渡される詩の世界への招待状。〈解説〉渡邊十絲子
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ryohjin
21
人生や生活の一片を描いた様々な詩人の詩に、著者の文章が添えられています。気まぐれに詩を読んだとき、自分の感じていることが的はずれなのではといつも不安に思うのですが、この本では著者がいっしょに読んでくれているように感じられ、いつもより深く、それぞれの詩の世界に入ることができたように思います。石垣りんさんの記憶に刻まれ選ばれた53編の詩はこれからも繰り返し読むことになるのでしょう。石垣りんさんご自身の詩とエッセイも引き続き読んでみようかと思います。2024/03/12
柚木あんづ🍉
14
石垣りんさんが選んだ53人の詩篇と、その詩に応えるりんさんのエッセイ。長田弘『はらっぱ』、草野心平『秋の夜の会話』、吉野弘『夕焼け』などの編まれた詩の数々が素晴らしいだけでなく、添えられた言葉に込められた「想い」に心打たれる。藤原伸二郎さんの『五月の雉』に対する「戦争を通り越してきた物にとって、“どこからも鉄砲の音などはきこえはしない”というリフレインは、祈りの鐘のように聞こえます」に一番共感したが、それはそれで(今日の状況だけに)悲しいなあ…なんて思っている。とても良い本に出あった。何度も読みたい。2024/03/26
たっきー
10
著者が選んだ詩篇にエッセイを添えたもの。気持ちが落ち着かないかなで読んだが、本当はもっと腰を据えて読みたかった。味わい深い作品。あとがきの渡邊十絲子氏の「思い出せる詩があるということは、有事に際して履きかけることができる靴をもつようなことだと思う。自分とは違う人間の視点の高さ、歩幅、速度。ささやかな変身は、せまいところに閉じ込められて身動きのできない心を救い出す」という文章も良かった。2024/06/04
Inzaghico (Etsuko Oshita)
7
三好達治の”Enfance finie”は、文末の「ね」が効いている。自分で自分のお尻を叩くための「ね」だ。「大きな川のように/私は人と訣れよう」という一文にもしびれる。 吉野弘の「夕焼け」は覚えていた。満員電車で座っている若い女性が何度も席を譲ることになったことを描いた詩だ。これを読んで、NYCでバスに乗っていたら、中年女性だろうか、大きな声で「これでわたし席譲るの4度目よ~」と言いながら朗らかに席を譲っていたのを思い出した。嫌味な感じがまったくしなかったのは、なんでだろう。お国柄かしら。2025/03/27
mako
7
ふっとからだから出てきたり、呼び寄せた詩に石垣さんがエッセイを添えている。詩もいいし、エッセイも心地よい。2024/12/12
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