内容説明
阿漕な商人だけを狙って金を盗み、貧乏長屋にばらまいていた盗人の夫婦。二十年前、長尾官兵衛に罪を見逃してもらった恩義を忘れず、盆と正月に必ず挨拶にやってきていた。しかし今年は妙な伝言を残し、消えてしまった。とんでもねえ連中の尻尾を掴んだ――と。還暦を迎えた“うぽっぽ”が悪事を裁く、傑作捕物帳シリーズ新章第二弾、書き下ろし。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タイ子
70
シリーズ新章第2弾。還暦を迎えたうぽっぽ同心・長尾勘兵衛。彼を毛嫌いする輩たちはじじいよばわりして舐めてかかるけど、まだまだ腕と頭はなまっていない。舐めてかかると怖い男。銀次という心強い岡っ引き、そして、娘婿の定廻り・鯉四郎の存在があるからこそではあるが。鼠小僧ならぬ夫婦小僧として盗んだ金を貧乏長屋にばらまいていた夫婦を20年前に助けた勘兵衛。その夫が意味深な伝言を残して消えた。後ろでうごめく震災のためのお助け金強奪事件。悪党を成敗するには蛇にも鬼にもなる男。弱き者は人情を、カッコいい!2024/03/20
ゴルフ72
11
還暦を迎えたうぽっぽではあるが未だ矍鑠としている。現代ではないので人生50年の時代と考えたら・・・今回も悪を成敗してくれた。銀次は心強いし、鯉四郎も頼りになる。今回は仁徳先生は出番無しもしっかりラストで出てくるところは流石(笑)2024/04/18