創元推理文庫<br> 夜明けを探す少女は

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創元推理文庫
夜明けを探す少女は

  • 著者名:ジュリアナ・グッドマン【著】/圷香織【訳】
  • 価格 ¥1,386(本体¥1,260)
  • 東京創元社(2024/03発売)
  • 読書週間スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~10/27)
  • ポイント 360pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784488221058

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内容説明

世の中には、夜になっても鍵をかけない家があるのを知ってる?──シカゴの高校に通う黒人の少女ボーは、卒業を機にこの街を出ると決めていた。絵の才能を活かし、盗みも撃ち合いもないどこか遠くへ行くのだ。そんな十六歳の冬、姉のカティアが不法侵入の疑いで警官に射殺された。外の安全な世界に憧れ、ボーに語り聞かせてきた姉が、犯罪に手を染めるはずがない。ボーは姉の無実を証明するため、現場から消えた姉の恋人を自ら探しはじめる。少女のひたむきな調査行と姉妹の絆が胸を打つ、アメリカ探偵作家クラブ賞最終候補作!/解説=吉野仁

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ナミのママ

74
貧困層が暮らす低所得者用団地に住む黒人の女子高生ボーが主人公。姉が白人警察官に射殺される。巻頭から綴られるボーの深い悲しみが胸を打つ。ミステリー色は少ないが、貧困、アルコール、ドラッグ、崩壊家庭、そして人種問題と未成年を取り巻く酷な現状が描かれている。その中でボーは怒り、それでも折り合いをつけ前に進んでいく。驚いたのは解説にある「ミステリーのジャンルで黒人作家が占める割合がとても低い」の一文。作品の発売国や作者の経歴を見る事はあっても、人種まで見る事はなかった。(2023年MWA賞YA部門最終候補作品)2024/03/22

鴨ミール

36
夏はYA小説を読むには最適な季節のように思えた。肌の色や、生まれた地域で、生まれたときから差別の対象として生きる少女。その暮らしにどっぷりとハマりながらもいつかはここを抜け出すことを夢見る。そうしたとき、姉が警察官により銃殺された。不法侵入を疑われた嫌疑で。そして、姉の車からはドラッグも見つかる。しかし、少女は姉の疑いを晴らそうと、姉のボーイフレンド探しをする。みんな、諦めの中で生きてることが怖いと感じた。声を上げることはほんとの勇気がいるし、自分を身を削るような思いが必要なんだろう。2024/09/03

しゃお

27
大好きな姉を不法侵入の疑いで白人警官に射殺された黒人の少女ボー。姉の無実を信じて現場にいたはずなのに消えてしまった姉のボーイフレンドを探し始めます。しかしその中で姉が亡くなった事で崩壊する家庭とボー自身の精神の危うさが胸に迫ります。とはいえ怒りや悲壮感だけでなく、親友たちや好きな人とのやり取りなど明るい面もあって等身大のボーの姿が見れるのが良かった。変えられない現実もあり、決して全てが良い結末を迎える訳ではありません。けれどもボーの揺れ動く心情は細やかで、その上で迎える前向きなラストが心地よかったです。2024/06/05

信兵衛

19
本作品の本質は、少女たちそれぞれの闘いを描くストーリーなのです。 本作は、同じように困難な状況にある少女たち、少年たちに、勇気や希望を与える作品になっている、と信じたい。2024/08/21

ろくいち

19
不法侵入の疑いで警官に姉を射殺されたボーが、姉の無実の証明のために行方不明の姉の恋人を探す。テーマの割に文体や雰囲気がえらくカジュアルだな、と思っていたら、途中でMWA賞YA部門の候補作と気付いて納得。確かに真相よりも、その過程が重要視されてる感じ。でも、ボーの怒りや激しさがよく伝わってきて良かった。SNSを使って手掛かりを探すのは、自由研究シリーズのピップを思い出すけれど、ボーは切実さが違う。底辺といわれる場所に住むボー達には貧困や人種差別などの困難がつきまとう。どうしようもない現実が重かったけれど。2024/08/15

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