岩波現代文庫<br> コレモ日本語アルカ? - 異人のことばが生まれるとき

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岩波現代文庫
コレモ日本語アルカ? - 異人のことばが生まれるとき

  • 著者名:金水敏
  • 価格 ¥1,452(本体¥1,320)
  • 岩波書店(2024/02発売)
  • 2026年も読書三昧!Kinoppy電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~1/12)
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  • ISBN:9784006004675

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内容説明

「これながいきの薬ある.のむよろしい.」この台詞から中国人を思い浮かべる人は多いだろう.だが現実の中国人は今,こんな話し方をしない.近代の日中関係のなかでピジンとして生まれたことばは,創作作品のなかで役割語としての発達を遂げ,それがまとう中国人イメージを変容させつつ生き延びてきた.(解説=内田慶市)

目次

序章 〈アルヨことば〉にまつわる疑問
ある台詞
役割語と〈アルヨことば〉
「協和語」と〈アルヨことば〉
本書の課題と構成
「支那」「満洲」の表記について
第一章 宮沢賢治は「支那人」を見たか
宮沢賢治「山男の四月」
「支那人」について
「支那人」の話し方
夢野久作「クチマネ」
第二章 横浜ことばとその時代
ピジンについて
リアルなピジンとしての横浜ことば
フィクションの中の横浜ことばと中国人
Exercises in the iv Yokohama Dialect
Nankinized-Nippon
明治中期~昭和初期の創作的作品
語彙から見た横浜ことば
この章のまとめ
第三章 〈アルヨことば〉の完成
横浜ことばから宮沢賢治へ
坪田譲治「善太の四季」
雑誌『赤い鳥』と坪田譲治「支那手品」
「日清戦争異聞(原田重吉の夢)」
「チンライぶし」
海野十三「人造人間エフ氏」
のらくろ三部作の時代
のらくろ三部作の構造
豚のことば
この章のまとめ
第四章 満洲ピジンをめぐって
満洲義軍
満洲と日本人
「日支合弁語」「兵隊支那語」「沿線官話」そして「協和語」
中谷鹿二『日支合隯語から正しき支那語へ』
「有」語法・「好」語法
『支那在留日本人小学生 綴方現地報告』
軍事郵便に現れた満洲ピジン
戦中・戦後の日本人の記録やフィクションに現れた満洲ピジン
この章のまとめ
第五章 戦後の〈アルヨことば〉
戦後日本と中国人
「拳銃無頼帖 抜き射ちの竜」
「喜劇 駅前飯店」
手塚治虫
石ノ森章太郎「サイボーグ009」
前谷惟光「ロボット三等兵」
その他のマンガ(一九八〇年代)の中国人キャラクター
「ひょっこりひょうたん島」
ゼンジー北京
中国イメージをめぐる国内・国外情勢の変化
チャイナ少女の登場――〈アルヨことば〉とジェンダー
高橋留美子「らんま1/2」
二〇〇〇年代のチャイナ少女
美少年と〈アルヨことば〉
〈アルヨことば〉に代わる中国風訛り
この章のまとめ
終 章 「鬼子」たちのことば
「鶏毛信」
〈鬼子ピジン〉の語彙と文法
抗日映画・ドラマとステレオタイプ
横浜ことば,〈アルヨことば〉,満洲ピジン,〈鬼子ピジン〉の関係
さいごに――「進上」の旅
引用テキスト
参考文献
あとがき
現代文庫版あとがき
解説 ヴァーチャルとリアルの狭間を行き来する「役割語」……内田慶市
年 表
語彙一覧
人名一覧
題名一覧
事項一覧

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

yamatoshiuruhashi

62
書名と表紙で楽な本かと思いきや、言語学者による歴史的考察。ピジン語と言えば、ピジンイングリッシュしかしらなかったが、元言語を簡明にしたものがピジン語でこの表題の表現はピジン日本語と言うものであること。そもそもこの用法の文献上の元祖は幕末期にオランダ総領事の家で召使だった「トオ」と言う男が簡単な日本語として外国人に教えたものだとのこと。その折には「アリマスカ」「アリマセン」「アリマス」の三つの順番に教え、それに必要な名詞を載せれば意思疎通ができるというものだったとは驚くとともに活用の幅広さにも納得。2023/10/06

へくとぱすかる

47
ゼンジー北京はもとより、『銀魂』の神楽も考察の対象なのが現代的。しかし宮沢賢治「山男の四月」(1921)が、フィクションとしては、確認された限り最古だとは驚いた。賢治はどこから「アルヨことば」を知ったのか? 「のらくろ」はステレオタイプの「結果」だと思っていたが、意外にもインフルエンサーの役割が大きかったらしい。ピジンイングリッシュは有名だが、日本語にもピジンが存在し、まさにこれがそれであったとは。異言語の接触によって発生する現象が、政治や人権の問題にもなるだけに、言語学からの研究・解明には期待したい。2023/09/21

さとうしん

16
文庫化を機に再読。先月文庫化された『ヴァーチャル日本語』第六章の発展版的な内容で、手法も共通している。日本人主導の満洲ピジンが、中国の抗日ドラマなどに見られる「鬼子ピジン」の形成に影響を与えたという議論は何度読んでも衝撃的で、日本人への「ブーメラン」となっている感がある。ただ『ヘタリア』のそれは新しい展開というよりは作者がただただ先行作品の言葉遣いに無頓着で不勉強なだけではないか?著者の言う『鋼の錬金術師』での「巧みな処理」と比較すると、そう感じる。 2023/06/22

ポルターガイスト

6
現実の中国人は「〜アルヨ」などと話さないのになぜそう聞くと中国人を連想するのか。そもそもこの表現はどこから始まったのか。内容や議論の進め方は緻密で面白かったが,それ以前にこのテーマ自体が知的好奇心を刺激される興味深いものだった。2024/08/13

lovekorea

2
ゼンジー北京氏がオリジナルかと思ってましたが、遥かに長い歴史を持っている謎の『語法』のようですね。 しかしまあ、今の御時世では悪意の有無に限らず使うべき表現では無いアルネ。2024/09/12

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