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内容説明
●教養とは、人間がより人間らしくあるために必要な「知の営み」である――。 ●ファスト教養に陥らない「本物の学び」とは何か? ●リベラルアーツに向き合い続ける著者が、四人の識者と本気で考える。 近年、「たしかな教養を身につけたい」という風潮が広まり、書店でも「教養」をタイトルに冠する本が所狭しと並んでいる。なぜ現代において教養が必要とされるのだろうか。そもそも「リベラルアーツ」は何のために生まれたのか。神学者であり、東京女子大学学長としてリベラルアーツに向き合い続ける著者が、四人の識者と議論を交わし、その本質に迫る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
38
なぜ現代において教養が必要とされるのか。リベラルアーツはなぜ生まれたのか。神学者、東京女子大学学長としてリベラルアーツに向き合い続ける著者が四人の識者と本質に迫る一冊。リベラルアーツという概念がどのようにして生まれたのか。その歴史的経緯を振り返りながら、日本のリベラルアーツ教育の現状を考察して、作家の五木寛之さん、数学者の藤原正彦さん、社会学者の上野千鶴子さん、人類学者の長谷川眞理子さんと教養に関してそれぞれのらしさがよく出ている対談でしたけど、自分自身の軸となる感性や判断力を磨いていくことは大切ですね。2024/03/06
ta_chanko
19
リベラル・アーツ=自由になる技術。リベラル・アーツ教育の目的は民主主義を担う市民を育成すること。民主主義とは自由な市民たちが形成する社会。リベラル・アーツ=教養を身につけることは簡単ではない。世の中の成り立ちについてもっと知りたい、真理を追い求めたい、という想いを生涯持ち続けることで身についていくもの。教養とは「ファスト教養」や「ChatGPT」のように手っ取り早く手に入るものではない。日本社会や教育界でも短期的な目標ばかりが重視され、近視眼的になってきている感があるが、こういう時代にこそ、教養が不可欠。2024/04/03
まゆまゆ
17
人間をより人間らしく育てることを目的としたリベラルアーツの歴史をたどり、中身ではなく教え方や学び方を身につけることが本来の教養であることを語る内容。対談も興味深かった。名著を要約されたものを読んでも結局はその筆者の意図であって、自分で感じて考えなければ意味がない。むしろ要約できることが教養である、とは耳が痛い…2024/04/16
オールド・ボリシェビク
5
著者はプリンストンなどで学んだ神学者で、ICUの教授などを務め、現在は東京女子大の学長である。アメリカにおける宗教的反知性主義の歴史を研究した「反知性主義」「非寛容論」(いずれも新潮選書)はすこぶるつきに面白かった記憶がある。この新書では、「本物の学び」とは何かをめぐり、著者が五木寛之、藤原正彦、上野千鶴子、長谷川眞理子の4氏と対談する。教養はアクセサリーではない。「身に着ける」ものではない。市民社会の核となるべく、リベラルアーツによって新しい時代に立ち向かっていかなくてはならないのである。2024/03/03