内容説明
王国の武器商の跡取りとして生まれ育ったエリザベスは、ひょんな事から軍人としての道を歩む事を決意する。
しかし女性が故に、軍隊への入隊志願を受け付けて貰えず、終いには家を継ぐ気が無いと判断され、彼女の父からも勘当を言い渡されてしまう。
エリザベスは最後の手段として、実家から大砲を盗み出し、隣国の紛争地帯に乗り込み、実戦で戦果を挙げ、地方領主様に砲兵士官へと取り立てて貰うという、無謀極まり無い作戦を決行する。
血の繋がらない妹も巻き込み、故郷を出奔するエリザベスは、己の野望である軍団長の座へと上り詰めることが出来るのか!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nishiyan
16
軍人になる夢を捨てきれず、妹エレンとともに実家の商家から大砲一門を持ち出して家出したエリザベスが紛争地帯で砲兵士官として取り立てられ成長していく異世界近世戦記。エリザベスが生と死が隣り合わせの戦場で味方も犠牲にしなければならない現実を知り、軍人としてだけでなく、人としても成長する姿は熱い。彼女を取り立てたパルマ女伯を筆頭にパルマ軍の士気の高さには悲壮感ではなく、腹を括った者が持つ命の輝きを感じられた。また妹エレンの過去が今度の展開に関わってきそうなのは気になった。撤退戦はまだ途中。次巻はどうなるか。2024/04/07
久利大也
2
12ポンド砲を引っ提げて家出した商家の令嬢が、都市防衛戦の渦中に飛び込んでいく。 戦列歩兵に騎兵に砲兵!近世の戦争を余すことなく堪能できます。 「鉄塊を人間にぶつける」っていう砲のシンプルさだったり、結局のところ度胸で踏みとどまらないといけない戦列だったり、この時代の戦場ならではの生々しさ。 命を捨てる戦士たちの覚悟を知っていく中で、机上でしか戦を知らなかった令嬢の成長が苦しくも熱かったです2024/02/19