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内容説明
とんちで知られる一休宗純。
その人生は波乱にみちたものであった。
将軍、天皇、僧侶、侍、民衆…さまざまな身分の人間の思惑が混ざりあい、混乱を極める室町時代。
高貴な身分でありながら出自を隠し、真剣に悟りを目指す一休宗純は迷いながら懸命に生きる。
矛盾と不条理と苦しみに満ちた世間のなかで、どのように生き、そして死ぬのかを考えるきっかけとなる傑作。
アングレーム国際漫画祭遺産賞を受賞し、世界からの評価が高まる坂口尚。
その遺作となる本作は、日本漫画家協会賞優秀賞を受賞した幻の作品。
大判かつ高精細な印刷で、人生の指針を与えてくれる本作をお楽しみください。
第3巻で描かれるのは、真の悟りを得て風狂に生きることを選んだ一休。その世俗の中でもがき歩み続ける姿を直截に描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コリエル
7
親の愛、出世欲、肉欲など折にふれて煩悶しつつも徐々にそこから自由になろうとする一休。外界では武士も坊主も欲と破戒に満ち満ちていて、無力感に苛まれる彼が最後に導く結論は如何に。2024/11/08
KDS
2
悟りを開くも印可証を拒否し、俗世に飛び出し僧侶の戒律などどこ吹く風と奔放に民衆と共に生きる一休。人々の人望を集め、自然と集まった弟子たちとともに自由な修行の日々を送っていた。そんな中、最愛の母親(アニメ「一休さん」にも登場する母上さまですな。当たり前か)と死別。さらには実の父親である後小松法皇と最初で最後の対面を果たす。愛する人たちとの別れを乗り越え、己れの信じる道を突き進む一休と、この混迷した時代の権力と欲にまみれた他の僧侶らとの対比が面白い。いつの時代も権力者ってのは身勝手で民衆の事など考えもしない。2024/02/23