内容説明
80万部突破『罪の声』を超える圧巻のリアリズム小説!
「聞きたい、彼女の声を」 「知られてはいけない、あの罪を」
ライターの大路亨は、ガンを患う元新聞記者の父から、
辻珠緒という女性に会えないかと依頼を受ける。
一世を風靡したゲームの開発者として知られた珠緒だったが、突如姿を消していた。
珠緒の元夫や大学の学友、銀行時代の同僚等を通じて取材を重ねる亨は、
彼女の人生に昭和三十一年に起きた福井の大火が大きな影響を及ぼしていることに気づく。
「実在」する情報をもとに丹念に紡いだ社会派ミステリーの到達点。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
PEN-F
45
ネガフィルム調のデザインを施した表紙がめちゃくちゃカッコいい。ちょっと分かりずらいけどネガに写っているのは廃墟かな?単行本の表紙もこれまたカッコよくて、朱色の化身というタイトルとしては単行本の方の表紙が相応しいかとも思うが、表紙のデザインに惹かれ敢えて文庫本を購入。内容的にはとにかく登場人物、っていうか、証言者がめちゃくちゃ出てくる。もう途中から誰がどんな証言をしたのかさっぱり分からなくなっちゃった。2024/07/26
ピース
45
今は新幹線が開通して盛り上がってる福井だが過去にはこんな悲惨な災害があったことは初めて知った。辻󠄀家の三代の女性は時代やらろくでもない男に人生を狂わされるが、このような話は物語の中だけだと思いたい。2024/06/22
しげき
31
罪の声が面白かったのでこの作品も読んでみました。福井県芦原を舞台にした母娘3代の物語。これでもかと災いが降りかかり気の毒でならなかった。登場人物が多く立ち止まる事もありましたが、読み応えのある小説です。2024/12/09
よっち
29
ガンを患う元新聞記者の父から辻珠緒という女性に会えないかと依頼を受けたライター大路亨。しかし一世を風靡したゲームの開発者として知られた珠緒が、突如姿を消していたことを知るミステリ。大路が元夫や学生時代の友人たち、銀行時代の同僚たちに取材を重ねていくことで明らかにされる珠緒の人生。そして彼女の人生に大きな影響を及ぼした昭和31年の福井・芦原大火。その先に待っていたのはなかなか業の深い真相でしたけど、何とか前向きに生きようと足掻いて、ままならない苦悩を積み重ねながら生き抜いてきた壮絶な人生が圧巻の物語でした。2024/02/15
のぼる
20
『存在のすべてを』を堪能し、その勢いで読んだものの、登場人物の多さに頭が混乱し、集中力を欠いた読書になってしまった。 勿体ないので、またいつか再読したい。2024/03/08