ハーパーコリンズ・ジャパン<br> 7月のダークライド

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ハーパーコリンズ・ジャパン
7月のダークライド

  • ISBN:9784596537171

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内容説明

23歳の夏――この罪を見過ごすことはできなかった。
MWA賞受賞作家が放つ瑞々しい青春ノワール。
「ルー・バーニーの最高傑作」S・A・コスビー
「最後のページまで心を掴んで離さない」ドン・ウィンズロウ

遊園地で働く青年ハードリーはある日、煙草の火傷痕の残る幼い姉弟を見かける。
行きがかり上、虐待を通報するも当局に相手にされなかった彼は、証拠を掴むため素人探偵まがいの調査を開始する。
見えてきたのは裕福なのに荒れ果てた家と、弁護士の父親の背後にちらつく麻薬組織の影。
23年間、面倒を避け気ままに生きてきたハードリーは、幼い命を救うため人生で初めて壮大な賭けを仕掛けるが……。
解説:吉野 仁

■著者既刊
『11月に去りし者』

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ナミのママ

78
なんていう作品だ。他人のおせっかいはいいから自分のことをちゃんとやれば…とハスに構えて読み始めたのに、最後はしっかり応援している自分がいた。マリファナを吸い、最低賃金でその日暮らしをしている主人公の青年。彼はほんの一瞬見かけただけの子供に虐待の跡を見つけて何とかしようと考える。考えるだけでなく行動に移してしまう。中盤からは「あなたたち、最後まで応援してあげてよ」と女性たちに言いたくなり、計画は「イケるかな」とハラハラさせられ、ついに青年の優しさにやられた。終わり方も最高。2024/02/27

ずっきん

78
あんたの新作を待ち侘びすぎて『11月』は5回以上読んだよ。もちろん原書はすぐに買ったさ。のろのろ1/3読んだところで翻訳版に追いつかれちゃったけど。わたしもハードリーなんだ。読んでる間ずっと『解錠師』や『ニールケアリー』がよぎった。本書は、ハードリーと周囲の人間たちのリアリティが半端ない。小説のネタにはちっぽけかもしれないけど、これが本当。みんなドラマを背負ってる。読んだ後さ、たまらなくてウロウロしてる。この熱と感情を逃がす方法が見つからない。この歳でも生き方を変えようなんて思っていいのかい?いいよね?2024/02/18

タツ フカガワ

65
遊園地のおばけ屋敷で働くハードリーは23歳。頼りなさげに見えるこの若者が、ある日市庁舎の廊下で幼い姉弟の体に煙草の焼きあとを見つける。虐待を疑い児童サービスへ通報するも対応する気配はない。そこで独自に虐待の証拠を探し始めるが……。先に読んだ同じ作者のハードボイルド『11月に去りし者』とは打って変わった素人探偵のクライム・サスペンス。市庁舎の窓口係でゴス・ファッションのエレノア、その祖母でヘビメタ・ファンのテリーら、前作同様脇を固める人物がいい。最後、ハードリーとエレノアの電話でのやりとりが泣けた。2024/04/02

しゃお

39
待ってましたのルー・バーニー。『11月に去りし者』と似ている部分もあるけど、こちらはどこか爽やかでユーモラス。マリファナを吸い、その日暮らしの青年。一度見ただけの子供たちを放っておけず行動に移すハードリー。主人公の周りの登場人物についてはもう少し知りたいと思える人も多いけど、描かれ過ぎないからこそハードリーを純粋に追えるのかも。終盤は謎めいた元探偵の艶やかな女性とゴスファッションで友人になりそうな女性の警告と助言を聞いて欲しいと思いつつ、自身の声に従うハードリーの姿が眩しくも羨ましく、涙を抑えきれない…。2024/02/28

しゃお

32
読書会前にと【再読】。ハードリーの視点のみで描かれるため、ハードリーが知り得ない事は描かれないので、その辺りは物足りないと思うのかどうかで好みが分かれそうですね。子供たちを救う事にどうして固着するのか。どうしてエレノアやフェリスの言葉を聞き入れないのか。それは時折浮かぶ母親との思い出から読み取れるような気もします。そして再読でもエレノアとの電話の場面では込み上げてくるものを抑えられなかったです。2024/04/04

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