内容説明
早世した天才作家の珠玉の作品集。ミステリアスなショートショートから哲学的な匂いのする短中篇まで、精力的に作品を発表し高い評価を得ていたものの、34歳の若さで亡くなった山川方夫の短篇集。地方勤務から4年ぶりに本社に戻った妻帯者で事なかれ主義の男が、同期の女性に翻弄される「帰任」。憧れだった団地に入居したものの、その画一性に疲れ果て、極端な行動を取ろうとする「お守り」。相手の顔をまともに見ることができない内気な女性の大胆な行動を描く「箱の中のあなた」。下宿の外から聞こえてくる女性の軍歌に二人の男が惑わされてしまう「軍国歌謡集」など11作品を収録。
著者等紹介
山川方夫[ヤマカワマサオ]
1930(昭和5)年2月25日―1965(昭和40)年2月20日、享年34。東京都出身。「三田文学」の編集者として活躍の傍ら、作家として「演技の果て」、「海岸公園」等の作品で芥川賞候補となるも、交通事故に遭い34歳で早世(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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