内容説明
魂の弁護士ボー・シリーズ激アツの完結編!
テネシー州プラスキ。ジャイルズ・カウンティ高校のアメリカンフットボール・チーム「ボブキャッツ」がライバル校を相手に歴史的な勝利を収め、試合後には地元の人気バンド「フィズ」がそのスタジアムでコンサートを行い町中が熱狂した夜――翌朝、バス置き場で遺体が見つかった。被害者はフィズのカリスマシンガー・ブリタニー。容疑者は、彼女の恋人で「ボブキャッツ」のスター選手オデル。現場に残された証拠はどれもオデルが犯人だと示していたが、彼は無実を主張し、彼が父親のように慕う弁護士ボーセフィスに弁護を依頼する。地元の黒人コミュニティは騒然とし、オデルをブリトニー殺害の犯人と敵視しはじめる。一年前に子どもたちの親権を取り戻し、やっと平穏な生活を手に入れたボーは、オデルの弁護は「間違った側(ザ・ロング・サイド)」に立つことではないかと逡巡する……。
「トム・マクマートリー」シリーズに続く法廷エンタメ「ボーセフィス・ヘインズ」シリーズ、激アツの完結編!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナミのママ
82
どんな困難な状況でも絶対に何かやってくれるはずと思わせる作品「トム・マクマートリー」4部作に続く「ボーセフィス・ヘインズ」シリーズ完結編。息子T・Jの通う高校で起きた殺人事件は被害者も容疑者も有名な生徒で街をあげての騒動となる。手に入れた家庭を守るか、弁護を引き受けるか悩むボー。鉄の女ヘレン検事長のプライベートも複雑。前作で逃げおおせたアイツも事件に絡む。登場人物はほとんどが黒人で人種問題は表面に出てこない。法廷場面も多くない。それでも熱くて、手に力をこめ、息を止めて読んでしまった。良いシリーズだった。2024/02/18
オーウェン
65
弁護士ボーセフィスシリーズ2作目にして、シリーズ6作目でいよいよ完結。 地元のアメフトスターであるオデルの恋人が殺され、事件の証拠からオデルが第一容疑者に。 オデルは親しいボーに弁護士を頼むが、過去の事件によって刑事事件は引き受けないと決めていた。 前作の事件から続いて出る人物が多く、1作目を見ていると驚きの関係が生まれることになる。 ボーの葛藤と、町そのものが敵意を向ける中弁護士をすることの意味。 真犯人というのは予想の範囲だが、熱く爽快感のあるラスト。 シリーズは完結だが、新たな弁護士が次作から登場。2024/06/15
タツ フカガワ
56
殺されたのはメジャー・レーベルと契約も決まった高校生の女性シンガー、ブリタニー。彼女と付き合っていたアメフトのヒーロー、オデルが重要参考人として収監され、後に逮捕/起訴される。証拠はすべてオデルが犯人であること示していた。絶対不利な被告の弁護を引き受けたボーだが……。途中なかだるみと思う展開もあったけれど、第四章の法廷シーンがとても面白く、余韻も切ない。ただ前作『嘘と聖域』を引きずっている内容なので、本作を単独で読むとわかりづらいかも。2024/12/20
goro@the_booby
48
「long」じゃなくて「wrong」でも日本語にするとロングになっちゃうのでしょうかね。レーベル契約を決めた地元の歌姫ブリタニーを殺害したのは高校フットボールチームのスター選手オデルなのか。小さな町から旅立とうとしていた二人、息子のように目を掛けてきたオデルの弁護を引き受けるには証拠はすべて彼を指しているのだ。信じる道は「正しい」道なのか苦悩するボー。ここでボーのシリーズが終わってしまうなんてとても残念。マクマートリーシリーズから6作目。新シリーズが待ち遠しいロバート・ベイリーです。2024/11/12
しゃお
36
〈弁護士ボーセフィス〉シリーズ2作目にして完結編。もうボーのお話は終わってしまうのかと思うと寂しい。地元高校のフットボールのスター選手オデルがオデルのGFである地元人気バンドボーカルのブリタニーを殺害した容疑で逮捕された事件の弁護を依頼されて葛藤するボーが描かれます。容疑者も被害者も黒人同士でどちらもスターだった事で世間の注目を浴び、弁護を受ける事の難しさを実感しつつも、自身の信じる道を選ぶ父ボーの姿に、息子であるT・Jが『ものまねと鳥を殺すには』を引き合いに出す場面が印象的で、本作もやはり胸熱でした。2024/06/01