内容説明
すべては三沢の地からはじまった――。競馬記者の小林は、異色な経歴の競走馬トナミローザに興味を持つ。取材を進めるうち、日本で初の民間洋式牧場が青森の三沢にあった事実や、歴史の狭間に埋もれた偉人・廣澤安任の存在を知る。さらに、敬愛する寺山修司との意外なリンクも。競馬黎明期からの血統を継ぐトナミローザ、その陣営の真の狙いも次第に明らかに。時を経て連なる人の想いは海をも越えて一頭の競走馬に託される。史実に基づき、日本競馬の未来を照らす物語。「寺山修司没後40年記念認定事業」の一冊!
目次
プロローグ
一 背の高い女
二 血統の記憶
三 障害騎手
四 ターゲット
五 競馬の祭典
六 斗南藩の面影
七 アクシデント
八 二刀流
九 リスタート
十 リトルデリー
十一 遺伝学者
十二 エリザベス女王杯
十三 中山大障害
エピローグ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
しげき
20
これはサラブレッドの血統を辿る大河ドラマです。競馬とはギャンブルではなくロマンだと思います。とかいいながら馬券もたまに買いますが(笑)2024/05/25
じんこう
5
島田明宏さんの作品。青森県三沢の斗南藩の歴史と競馬との関連、血統の繋がりと遺伝的な考え方、競馬の母国英国と関連深いインドの競馬事情等々、盛りだくさんを1頭の馬を巡る一つの物語に丁寧に織り込まれている。自身でも考えていたことが物語の中で実施されていたり、目先の利益追求だけでなく未来を見据えた馬づくりはまさにタイトル通り。馬も生き物でありそれに携わる人々の馬を大事に思う気持ちも描かれていて馬に近い人が書いたとわかる作品2024/06/19
むらよし
5
まさにロマン満載であった。競走馬血統のそれだけではなく競馬サークルに関わる全ての人々のロマンが描かれている。何とも言いようがないくらい読み応えのある作品だった。舞台が三沢であることも青森在住の私にはたまらない。斗南藩の歴史、寺山修司の作品にも触れてみたい。ないがしろにしてきた障害レースへの見方も大いに変わった。競馬を嗜む人はぜひ読むべし2024/01/04
JUSA
3
競馬物に定評のある島田さんの最新刊です。三沢に発祥した日本競馬の萌芽をうまく記載した点、またインドの日本進出も現代の課題としてうまく描いています。それとは対照的なトナミローザの戦績、ダークカイザーとの関係性は少し希薄でしたね。史実のほうが波乱万丈でフィクションがついていけなかった感がします。2024/01/04
ぼうず66
2
まず広沢安任の話が面白かった。 寺山修司を絡めるあたりは鉄板だが、やはり感動する。 トナミローザのストーリーはさすがに「上手くいきすぎ」感があるけど、まあこれもまた競馬のロマンではあるね笑 2025/06/19
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