内容説明
「人類は、《魔王》によって滅ぼされるだろう」
突如、全人類の前に降臨した神はそう告げた。
1ヶ月ほど前から無差別に発生した不審死により、既に八億人もの命が失われていた。《魂魄剥離》と呼ばれるその現象が、あどけない少女にしか見えない《魔王》によるものと神は言う。
厄災を阻止すべく、人類を代表する十人の天使が選出され、《人類》対《魔王》――《聖戦》の火蓋が切られる。
震撼する世界で、ただ独り高坂憂人だけは少女を知っていた。彼女が世界の敵に仕立て上げられ、助けを求め手を伸ばすか弱き存在であると――。
ひとりの少女が為、世界に仇なせ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
35
無差別に発生する魂魄剥離により、一ヶ月で八億もの命が失われた人類。突如、全人類の前に降臨した神は人類は魔王によって滅ぼされると告げ、聖戦の火蓋が切られるファンタジー。あどけない少女にしか見えない《魔王》による厄災を阻止すべく、人類を代表して選出された十人の天使。そんな中で唯一人、高坂憂人だけは魔王とされた少女レーヴェが世界の敵に仕立て上げられた弱き存在でしかないと知ってしまう展開で、なかなかえげつないことを考える神もあれですけど、憂人は最後まで彼女を守り続けることができるのか、なかなか業が深い物語ですね。2024/02/01
オセロ
35
面白かったですね。 人々の命を奪う魔王の正体はあどけない少女のレーヴェ。そんなレーヴェを狙う天使が神によって十人選ばれ、戦いが没発するが、その裏にとある企みがあることを知った高坂憂人は魔王の眷属となりレーヴェを守ることを決意する…。天使との緊張感のある戦いがもちろん目玉ではあるものの、異なる立場から憂人を支える幼馴染と親友の存在、そして今回戦った天使の人間味溢れる切ないエピソードがこの作品をより面白いものにしていました。2024/02/01
真白優樹
13
突然人類が一カ月の間に何億人も死んだ世界で、殺人犯の父親を持つ少年が、魔王となった少女に出会い始まる物語。―――世界か君か、選べずともその道を。背負わされたものがあまりにも大きく、それでも決意してその道を行く物語であり、激しく心を揺さぶるように真っ直ぐなそれぞれの感情が激突する、レベルの高い面白さのある物語である。始まったばかりの茨の道、世界か彼女か、その結末は変わらない。世界の数十億人か、それともただ一人の彼女か。あまりにも大きいものを背負い悲しい伏線が待つその先とは。 次巻も勿論楽しみである。2024/02/01
碧海いお
12
第28回スニーカー大賞。題名に惹かれて読んでみました。 THE中二病というキャラクター設定で面白かった。いかにもフィクション!10代が好きそうな感じの設定感で。コミカライズ化しても不思議じゃない内容でした。2024/02/17
たまご
12
魔王となった少女と魔王を守護する少年の異色ボーイミーツガール作品。魔王と言えど無垢な少女であるレーヴェ。隠された彼女の真実や人類の敵として命を狙われる未来を思うと暗澹たる気持ちに。そんな全体的に重たい内容も地の文や設定が魅力的で、物語にグイグイ引き込まれます。運命共同体となった二人の過酷な逃避行ですが、レーヴェのピュアなリアクションと憂人の優しさに心癒されます。魔王の加護で力を得た憂人と異能力を駆使し挑んで来る人類代表の天使達とのバトルは読み応え抜群。しっかり完結まで読ませて頂きたい!面白かったです。2024/02/09