NHKテキスト<br> NHK 100分 de 名著 ローティ『偶然性・アイロニー・連帯』2024年2月

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NHKテキスト
NHK 100分 de 名著 ローティ『偶然性・アイロニー・連帯』2024年2月

  • 著者名:日本放送協会/NHK出版
  • 価格 ¥550(本体¥500)
  • NHK出版(2024/01発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 150pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784142231607

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内容説明

そういえば、あの本のこと、なんにも知らずに生きてきた。

一度は読みたいと思いながらも手に取らなかったり、途中で挫折してしまったりした古今東西の「名著」を25分間×4回=100分で読み解きます。各界の第一線で活躍する講師がわかりやすく解説。年譜や図版、脚注なども掲載し、奥深くて深遠な「名著の世界」をひもときます。

■ご注意ください■
※NHKテキスト電子版では権利処理の都合上、一部コンテンツやコーナーを掲載していない場合があります。ご了承ください。

■今月のテーマ
民主主義の危機は、「哲学」が守る

真理の探究を目指す従来の哲学を、社会の分断や差別をもたらすものとして根本から否定し、「人と人との対話を止めない」という哲学の新たな役割を提示した、哲学者リチャード・ローティ。その思想を手がかりに、分断やポピュリズムを乗り越え、連帯可能な社会を構想するためのヒントを探る。

■講師:朱 喜哲

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころこ

44
この番組でローティを取り上げるとは…遠くまで来たもんだ。ヨーロッパの本質主義、基礎づけ主義を批判することは、本を読むような人たちにとって拒否反応を起こすだろう。○○は正しい、ということを全面的に肯定しないからだ。しかしそのことはローティをはじめプラグマティズムが何を意図したものなのか。この逆説を考えることはアメリカ社会を理解し、またアメリカ社会から日本社会に足りない部分が何なのかを理解する上で有益だ。宇野重規もトクヴィル研究から同じところに到達している。流行の専門家礼賛や論破も浅慮だということに気付く。2024/03/25

buuupuuu

27
人には公と私の両方が必要で、両者は区別されなければならないと、ローティは言う。「本音で語る」政治家や、ゾーニングを無視した性的コンテンツ、あるいは何気ないポストが炎上してしまう場合など、現代にはたしかに公と私の境界が曖昧になっているような事例が沢山ある。普通は公に私を持ち込むべきではないということが言われるのだと思う。なるほどと思ったのは、現代ではむしろ、公が入り込んでこない私的な空間やボキャブラリーをいかにして確保すべきなのかということが問われているのかもしれないと、著者が述べているところである。2024/03/04

かふ

22
伊藤計劃『虐殺器官』での生成文法の話が出てきて、感動した。国家が定める国語というものが少数民族を排除(虐殺)していくという。『東京同情塔』より『虐殺器官』だなと思ってしまった。あと昨日『風よ あらしよ 劇場版』を見て伊藤野枝がセンチメンタリズム(感情論のコミュニティ)みたいなことを言っていて、同じことを言っているのかもしれないと思った。あとで深掘りする。いままで弱者の感情論は駄目だ論理的でなければというのが逆転していく。それも論理的なんだけど。2024/02/28

タナカとダイアローグ

22
すごいぜNHK、朱さん‥ 最近感じている違和感である本音と建前、パブリックとプライベート、会話ってなに?、加害と被害など、足がかりになりそうなトピック満載。終極の語彙(ファイナルボキャブラリー)を目指しがちだった反省。温度と質感の異なることばの習得や想像力の拡張をすべく、文学も読むんだ決意。使う言葉が実態になってしまう、バザールとクラブの使い分け・危うさ。SNSが良さも悪さも増長する言葉との付き合い方について、真摯に取り組むことが倫理の重要課題な気がする。いまの思考が偶然性の産物って感覚は超重要と思った。2024/02/12

特盛

20
評価4/5。企業向けのリベラルアーツの研修を少し手伝うことになり、原著が素材となるので読む。曰く。 伝統的な真理探究の哲学なんて辞めろ、本質主義はむしろ分断の根拠になる。我々は言葉で出来ている。言葉は偶然性の産物だ。それを常に疑い、他の言葉と触れ自分を改訂に向かわせる。公と私の言葉は分かれてもいい。一緒の方が言葉や会話が封殺される世界で問題だ。言葉遣いが変われば人が変わるし社会も変わる。言葉を封じる、残酷さや辱めに対して小さな手がかり(例えば小説や報道でもいい)をきっかけに築き上げ、連帯するのだ。2024/04/09

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