NHKテキスト<br> NHK 100分 de 名著 シャーロック・ホームズ スペシャル2023年9月

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NHKテキスト
NHK 100分 de 名著 シャーロック・ホームズ スペシャル2023年9月

  • ISBN:9784142231553

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内容説明

そういえば、あの本のこと、なんにも知らずに生きてきた。

一度は読みたいと思いながらも手に取らなかったり、途中で挫折してしまったりした古今東西の「名著」を25分間×4回=100分で読み解きます。各界の第一線で活躍する講師がわかりやすく解説。年譜や図版、脚注なども掲載し、奥深くて深遠な「名著の世界」をひもときます。

■ご注意ください■
※NHKテキスト電子版では権利処理の都合上、一部コンテンツやコーナーを掲載していない場合があります。ご了承ください。

■今月のテーマ
世界一の名探偵は、いかに生まれたのか?

英国の作家コナン・ドイルが生み出した一人の探偵は、世界中にフォロワーを生み出す「最強」の探偵となった。「緋色の研究」「グロリア・スコット号」「赤毛組合」「ボヘミアの醜聞」など数々のホームズ作品を通して、人間性の闇と光を考えるとともに、探偵小説がもつ文学的な意味を探究する。

■講師:廣野由美子

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころこ

42
探偵小説は文学の傍流ではなくて、読者を惹き付けるプロット、観察眼としての外形描写、内面の心理描写と事件の推理と、文学的な要素に満ちたジャンルだ。著者はワトソンの語りに着目していて、人称を論点に正統的な文学論になっている。ワトソンには凡庸なイメージがあるが、実は医師であり、観察眼と洞察に優れていて、ホームズの優秀さを最も近くで見抜いていたともいえる。本書を読むのは簡単だ。ポピュラーな題材でもある。にもかかわらず文学のエッセンスを味わうことができるのは、著者の優れた整理能力と平易な文章によるところが大きい。2023/09/15

ぽてちゅう

22
ホームズ様、ご無沙汰しております。放送に合わせ予習して全4回、歴代最強の探偵シャーロック・ホームズの指南を受けました!60作品をギュギュギュギュっとまとめているので、一度でもハマったことのある人の方が通りが良いかもしれません。あらためて知るホームズの魅力。「見ることと観察することははっきり違うのだ」そう、観察力。秘密や嘘に端を発する事件を解決する推理分析力。人生の機微、人間の弱点や闇の部分を探る洞察力。19世紀末にしては新しい、女性に対するリスペクト。今、ホームズシリーズを読み返したら「味変」楽しめそう。2023/09/28

イリエ

16
「シャーロック・ホームズ」シリーズは、物語ありきではなく、まず媒体ありきだったんですね。作者のコナン・ドイルが、そこに合わせて創作していたとは。物語の前にビジネス戦略があったことを初めて知りました。さらに、キャラクターから社会情勢まで味わわせてくれていたんですね。さらに、ドイルは自分とワトソンを重ねて読者をたてる工夫をしていたなんて。今も読みやすいのは、そういうことなんですね。2023/10/07

あきあかね

15
 本書は、具体のホームズ作品を多様な視点から読み解き、単なる作品紹介にとどまらず、ミステリーとは何か、ひいては小説、文学とは何かといった大きな問いへと繋がってゆく。 ホームズシリーズは、謎解きやトリックの面白さはもちろんあるが、「唇のねじれた男」における、金と安楽の誘惑に負ける人間の弱さや、「ボヘミアの醜聞」における、機知と行動力を備え凛としたアイリーン・アドラーという新しい女性像など、人間を深く、精緻に描きこんでいるため、時代を超えて幾度も再読に耐えうる普遍性を持つ文学作品となっている。⇒2023/09/29

どりーむとら   秋の夜長に本を再読し読み深めたい

15
 推理小説というもの読み方を教えってもらった、推理小説には、高音部と低音部があるという説明は腑に落ちた。「高音部」が事件に関する筋や謎解き、トリックなど表面に現れたもの。「低音部」が暗示された潜在的な部分で、人間性の探求というものである、人間が抱く欲望や怒り恐怖というものが、人にどんな行動に走らせるかを描く部分である。そのような見方で、今まで読んだ「八墓村」「すり替えられた誘拐」など最近読んだ本を振り返ってみると、そうだったのかと合点がいきました。2023/09/24

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