内容説明
人生の大きな変化は、何がきっかけになるかわからない。
「本当は商店街のそばで暮らしたい」
母の一言から小さなマンションに出会った。
実家売却、遺言書作り、家財道具を手放し
親子で目指した、新たな暮らし方とは?
感動の日々を描くエッセイ。
『年34日だけの洋品店』に続く50代からの生き方を綴る第二弾!
<本文より>
この歳で住み替えて本当に良いのだろうか、心は揺れたが、
これから二人が助け合って生活するにはマンションの方がいい。
今の場所で頑張り続けるより「無理をやめる」決断をする方が
どれだけ難しく、前向きなことか。
<もくじより>
1 親の老いに気づくとき
2 最後に住みたい商店街の町
3 80代でマンションを買う
4 待ったなしの遺言書作り
5 親の思いと子の現実
6「住みたい家」と「売れる家」
7 目標6ヶ月で実家売却
8 住み替えの不安を払拭するために
9 何でも売ってみる「家じまい」
10 一週間でお片付け
11 必要最低限の整理しやすくくつろげる家
12 2LKDの新しい家
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アイシャ
25
80代後半となった両親を、それまでの大きな一軒家から、施設に入れるのではなく、街中のマンションに移り住ませる手伝いをした経緯のエッセー。ご本人が暮らしにかかわることの専門家の方のようで、ここまで至れり尽くせり考えつくことはなかなか難しい。お父上自慢の坂の上の眺望のよい大きな家は、車を手放しからは暮らしにくい家となった。ご両親の自立生活を応援するための作者の努力には頭が下がる。同時に将来の自分のこととして、子供への迷惑を最小限とするためのアドバイスとしても読み取れた。せめて家の中の片づけを少しづつ進めたい2024/05/10
tetsubun1000mg
24
「イギリス流・・」という本を100冊以上出版されている方で、この本で4冊目となった。 イギリスにも自宅を持つという英国通の筆者だが、長崎暮らしの両親も80代となり家じまいや遺産相続の準備が必要になって書きまとめた記録との事。 東京暮らしの筆者が長崎に帰って不動産屋、司法書士、引っ越し業者などと打ち合わせるのだから大変な忙しさだと思われるが、高台の豪邸から生活に便利な町中の2LDKのマンションを購入して豪邸を売却する過程を紹介。 年を取ると町中のマンションが住みやすいようだ。家財の処分など参考になった。2024/04/09
kum
20
海を見下ろす立派な一戸建てから便利な町のマンションに引っ越すことに決めた両親。実家の整理や売却、お金に関わる書類探し、遺言作成、介護の準備…と娘がサポートしながらやらなくてはいけないことは山のようにあり読んでいても目が回りそうになるが、親亡き後の実家じまいではなく、親がまだ元気なうちにこれから望む暮らしに舵を切ったことは家族にとってとても前向きな決断だったと思う。親の気持ちに寄り添いながら全てをやり遂げた娘としての感慨はどれほどだったろう。詳細に書き綴っていただいたその現実を自分も読めて良かった。2024/07/22
まふぃん
19
80代両親の家じまいと整理のお話。具体的で文章も読みやすく、とても参考になった。実家の片付けも必要だが、取り敢えず親の資産や書類を知ることが一番大事なことだと知る。ご両親がとても仲がいいのが微笑ましい。そして、ご両親と作者の性格でよい御縁がめぐりまわっているように思った。2024/07/13
もえ
17
20代で出版社を立ち上げ、英国の生活を伝える雑誌を創刊し、50年近く馬車馬のごとく働いた著者が60代となり、長崎に住む80代の両親の老いに気付く。高台の豪邸は父親が免許返納をしてからは不便極まりなく、大きな家は危険もいっぱい。家じまいを決断し、母親の希望する便利な町中にあるマンションへの住み替えを実行する。マンションを購入できる両親の財力と、東京に住む長女である著者の尽力なくしては実現不可能であっただろうが、老いたご両親のお互いを思いやる気持ちがあってこそだ。巻末近くの旧家と新居のマンションの写真が素敵。2024/06/24